ハムスターは、身体が小さく簡単に飼育できることからペットとして根強い人気があります。
しかし、ハムスターはその他の動物と比べるとかなり短命であり、環境の変化によるストレスにも弱い動物であるため、“ハムスターの習性を理解し尊重してあげることが何よりも大切“になります。
この記事では、ハムスターの寿命や種類等、ハムスターの飼育に関する情報を解説していきます。
ハムスターってどんな動物?
ハムスターの大きさ |
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7-18cm |
特徴
ハムスターは、“小さな短い尻尾と身体の1/3(三分の一)を占める大きな頬袋“が特徴的です。
ハムスターは天敵となる動物が多いため、食事の最中に天敵に襲われないように食べ物を見つけてもその場では食べずに“頬袋に詰め込んで自分の巣穴に持ち帰る習性“があります。
ハムスターが持つ頬袋は伸縮性に優れており、エサを詰め込むと元の3倍以上に膨れ上がります。
雑食性
ハムスターは野菜や果物を食べるイメージがありますが、肉や魚、昆虫も食べる雑食性です。
雑食性と言っても肉や魚を食べることは殆ど無く、自然下では植物や昆虫を中心を捕食しています。
食糞行動
ハムスターには、自分の排泄物を食べる(食糞行動)習性があります。
ハムスターが排泄するフンの中には「盲腸糞」というモノがあります。盲腸糞には、腸内善玉菌やビタミン等の栄養素が含まれているため、ハムスターはそれを食べることで栄養を補給しています。
夜行性
ハムスターは、日中に眠り夕方から夜にかけて活動する夜行性の動物です。
ハムスターは天敵が非常に多い動物ですが、外敵から身を守れる武器や俊敏な逃げ足を持っていないため、活動する天敵が限られている時間帯(夜)に活動しなければ生き残ることが出来ないのです。
性格
- 臆病
- 警戒心が強い
ハムスターは被食者(捕食される)である動物であるため、とにかく“臆病で警戒心“が強いです。
ハムスターは臆病な性格故に人間に対して攻撃的な行動を取ったり、巣箱の中に隠れて出てこなくなってしまうこともあるため、懐かせるには時間をかけて信頼関係を築いていく必要があります。
ハムスターの寿命
ハムスターの寿命 |
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2-3年 |
ハムスターの寿命は種類によって若干の差がありますが、平均寿命は約2-3年と非常に短いです。
適切な環境で飼育することによってハムスターの中には4年以上生きた個体も確認されていますが、1歳のハムスターを人間の年齢に換算する30歳と同等であるため、4年以上生きる個体は極稀です。
ハムスターの値段
ハムスターの値段 |
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1000-10000円 |
ハムスターの値段は、購入するペットショップや種類によって大きな差があります。
人気があり流通量の多い「ゴールデンハムスター」や「ジャンガリアンハムスター」は約1000-3000円程で購入することが出来ますが、珍しい種類のハムスターは倍近い値段になることもあります。
ハムスターの種類
ゴールデンハムスター
- 黒色・白色・黄褐色で構成された毛色
- 大きな身体
ゴールデンハムスターの三毛猫のような三色で構成された毛色は個体によって若干の差があります。
ゴールデンハムスターは他種のハムスターよりも身体が少し大きめ(約15cm)ですが、温和で人間に懐きやすいというペット向きな性格をしていることからハムスターの中でも特に人気があります。
ゴールデンハムスターは品種改良が多く行われており、毛色がアプリコット色の「キンクマハムスター」や白色の毛色に黒色のブチ模様が入った「ダルメシアン」等、10種類以上の改良品種がいます。

ジャンガリアンハムスター
- 茶褐色の毛色
- 黒色の線模様
ジャンガリアンハムスターは頭部からお尻にかけて入った一本の黒色の線模様が特徴的であり、ゴールデンハムスターと同様にペットとして特に人気があります。
ゴールデンハムスターはペット向きな性格が人気の要因になっているのに対し、ジャンガリアンハムスターは“可愛らしい顔付きと身体の小ささ(約10cm)“が人気の要因になっています。
しかし、ジャンガリアンハムスターはゴールデンハムスター比べると警戒心が強く攻撃的な個体が多い傾向にあるため、少し人間に懐きにくく問題行動(噛む)を起こしやすい品種でもあります。

キャンベルハムスター
- カラーバリエーションが豊富
キャンベルハムスターはジャンガリアンハムスターと酷似していますが、生物学的には別種です。
キャンベルハムスターの特徴としては毛色のバリエーションが多いことであり、ジャンガリアンハムスターの改良品種とされている毛色の一部は、元々はキャンベルハムスターの改良品種なのです。
チャイニーズハムスター
- 茶褐色の毛色
- 長い尻尾
チャイニーズハムスターはハムスターというよりも“ネズミに近い外見“をしています。ハムスターの大半は尻尾が短いのに対して、チャイニーズハムスターはネズミのような長い尻尾を持っています。
チャイニーズハムスターは縄張り意識が強いため、ハムスター同士の仲は余り良くありませんが、人間に対して攻撃することは殆どありません(ハムスターの中でも特に懐きやすいです)。
また、チャイニーズハムスターは丈夫で簡単に飼育することが出来ることから「マウス」や「ラット」等の有名な実験動物が登場する以前は”実験動物”として利用されていた歴史があります。
ロボロフスキーハムスター
- 薄茶色の毛色
- 眉毛のような白色の毛色
ロボロフスキーハムスターは、ハムスターの中でも最も身体が小さい最小種のハムスターです。
ロボロフスキ―ハムスターはハムスターの最小種ということから人気がありますが、人間に懐きにくく臆病な性格をしているため、実際に触れ合って遊ぶというよりも“鑑賞向き“な品種です。
また、ロボロフスキ―ハムスターはトイレを覚えない個体が多い傾向にあり、身体が小さいことから健康状態を確認しずらいため、他種のハムスターよりも飼育が少し難しくなっています。
ハムスターの飼い方と注意点
飼育に必要な飼育用品
- ケージ
- 床材
- 巣箱
- 回し車
- エサ入れ
- 給水ボトル
- トイレ
- トイレ砂
- 齧り木
- 給水ボトル
- ペットヒーター
ハムスターを健康的に長生きさせるには、上記で述べた飼育用品を全て揃える必要があります。
給水ボトルは無くても大きな問題はありませんが、給水ボトルを使うことで飲み水を新鮮に保つことができますし、何よりもハムスターが水の中に入る心配がないので衛生的な環境を保てます。
エサは何をあげる?
ハムスターの主食には「ペレット」を与え、副食には「野菜」や「果物」を与えましょう。
ハムスターのエサと言えばヒマワリの種というイメージがありますが、ヒマワリの種を主食として与えているとハムスターが肥満になってしまう原因となるため、与えすぎには注意してください。
温度・室温管理
- 20-26℃
ハムスターは寒さが苦手な動物であるため、冬場はヒーターを使って室温を一定に保ちましょう。
ハムスターに適切な室温は約23-28℃と我々人間が快適に過ごせる温度と殆ど同じです。室温が15℃を下回るとハムスターの体温が徐々に低下し始め、10℃を下回ると“疑似冬眠“に入ります。
ハムスターは本来冬眠する動物ではないため、絶対に冬眠させてはいけません。ハムスターが一度冬眠状態に入ってしまうと低体温症となり“凍死してしまう可能性が高い“ので注意してください。
冬眠対策
冬眠を対策するには室温を管理することも大切ですが、ケージの保温性を上げることも大切です。
ケージの保温性を上げるのに最も有効な方法は保温性の高いケージを使用することですが、ハムスターの飼育に使われることの多い“シャトル(金網)ケージは保温性が皆無“といっても良い程です。
そのため、ハムスターの安全を第一に考えるならば、気温が低下しやすい冬場だけでも保温性の高い「水槽」や「アクリルケージ」を用意してあげるといいでしょう。
新しいケージを用意することが難しい場合は保温性を高めるビニールカバーを使ったり、ケージの上から毛布を掛けて出来る限りケージの保温性を高めるようにしてください。
トイレの躾け
ハムスターは“特定の場所に排泄する習性”があります。
ハムスターが排泄を行う“特定の場所”とは、自分の排泄物の匂いが付いている場所であるため、トイレの容器の中にハムスターの排泄物が付いた床材を入れることで簡単に躾けることができます。
また、ハムスターの排泄物は糞よりも尿の方が匂いが強いので躾けには尿を使うようにしましょう。
ケージの掃除
ハムスターはトイレを覚えることが出来ますが、トイレ以外の場所で排泄をすることもあるため、ケージ内を清潔に保つために排泄物が染み込んだ床材を定期的に掃除(取り換える)必要があります。
しかし、毎日のようにケージを掃除をしてしまうとハムスターがストレスを感じてしまうため、ケージ全体を掃除するのではなく“汚れている個所の床材だけを2-3日に1回の頻度で掃除“しましょう。

ハムスター飼育【まとめ】
ハムスターは飼育用品さえ揃えてしまえば誰でも簡単に飼育することが出来ますが、ハムスターにとって冬眠は死を意味するため、絶対に冬眠させないようにキチン対策する必要があります。
また、ハムスターを多頭飼いする場合は1匹につき1つのケージを用意してください。相性の良いペアならば一緒のケージでも問題ありませんが、繁殖力が非常に強いので飼育は計画的に行いましょう。
