人間の言葉を理解して会話することも可能なヨウムという大型のインコをご存知でしょうか。
ヨウムは鳥類の中でも極めて高い知能を持っている鳥であり、世界一賢いヨウムとして有名な「アレックス」は同じ(違う)の概念や数の概念を理解していたという研究結果も報告されています。
この記事では、ヨウムの寿命や種類等、ヨウムの飼育に関する情報をご紹介します。
ヨウムってどんな鳥?
ヨウムの大きさ |
---|
30-35cm |
特徴
ヨウムは赤色の尻尾と羽縁(羽毛の縁取り)が白色に染まった鱗のような羽毛が特徴的です。
ヨウムは鳥類の中でもトップクラスに知能が高い鳥であるため「動物の鳴き声」や「機械音」の真似は勿論、人間の言葉の意味を理解することができます(簡単な会話も可能)。
また、ヨウムは英語で“Gray Parrot(灰色のオウム)”と言いますが、正確にはオウムではありません。ヨウムは動物学で分類するとオウム目インコ科に属しているため、実際はインコの仲間になります。
性格
- 人懐っこい
- お喋りが好き
ヨウムは感情表現が豊かな賢い鳥であるため、キチンと愛情を注いで育てることで非常に懐きますが、時には飼い主の反応を確認するために故意に悪戯をするようなお調子者な個体もいます。
気分が良い時は音楽を聴いてリズムを取ったり人間と会話をしますが、気分が悪い時は人間の言葉を支離滅裂に使ったりするため会話になりませんし、噛みついたり悪戯をしてくる場合もあります。
ヨウムの寿命
ヨウムの寿命 |
---|
40-60年 |
ヨウムは他種のインコと比べると寿命が非常に長いです。ヨウムの平均寿命は約50年とされていますますが、ヨウムに合った適切な環境で飼育することによって時には60年以上生きる場合もあります。
ヨウムは知能が高い故にストレスを感じやすい性質であるため、ヨウムに長生きしてもらうためには出来る限りストレスを感じさせない自由な環境で飼育してあげることが大切になります。
ヨウムの値段
ヨウムの値段 |
---|
400,000-500,000円 |
ヨウムの値段は購入する時期とペットショップによって大きな差があります。
流通量が多い時期(主にヨウムの繁殖期)は比較的安価(約40万円)で販売される傾向がありますが、流通量が少ない時期は高価(50万円以上)で販売される傾向にあります。
値段が高い理由
ヨウムの値段が高い原因は流通量の少なさが影響しています。日本はヨウムを繁殖させる技術(知識)が遅れいるため、国内に在来するヨウムブリーダーの人数が極端に少ないのです。
ヨウムブリーダーの人数が少ないというだけでもヨウムの値段が高くなるのに十分な理由ですが、ヨウムの値段が高くなる原因は他にもあります。それは「海外からの輸入制限」です。
ヨウムはワシントン条約に含まれている鳥であるため、世界と日本の法律によってヨウムは海外から日本に輸入してはいけない(全面輸入禁止)と決められています。故にヨウムは非常に高価になります。
ヨウムの種類
ゴンゴヨウム
ゴンゴヨウムは通常のヨウムよりも大型に成長します。通常のヨウムは約30cm前後で成長が止まる傾向にありますが、ゴンゴヨウムは一回り大きいサイズ(約35cm前後)に成長する傾向にあります。
ゴンゴヨウムと通常のヨウムの違いは体の大きさだけです。外見から確認できる範囲は全て同じであるため、日本国内では通常のヨウムと区別せず同一種として販売されている場合もあります。
コイネズミヨウム
コイネズミヨウムは通常のオウムよりも小柄で少し濃い灰色の羽色を持っています。嘴(クチバシ)の上が淡いピンク色に変色しているため、ヨウムの種類を見分けたい場合は嘴をチェックしましょう。
コイネズミヨウムは通常のオウムよりも流通量が少ないため、販売価格も高くなる傾向にあります。
ヨウムの飼い方と注意点
飼育に必要な飼育用品
- ケージ(鳥かご)
- パーチ(止まり木)
- エサ入れ・水入れ
- ペットヒーター
- 水浴び用ケース
- 温湿度計
- キャリーケージ
オカメインコの飼育に必須な飼育用品は「ケージ」「パーチ」「食器」「ヒーター」の4つです。
その他の飼育用品に関しては必要に応じて用意するという認識で問題ありませんが、キャリーケージは動物病院へ連れて行く必要がある時に無いと不便なため、是非用意しておきたいところです。
温度・室温管理
- 約20-28℃
ヨウムは温暖な地域に生息する鳥であるため、暖房器具を使って室温を一定に保つ必要があります。
ヨウムは成鳥になると比較的寒さに強くなりますが、気温が極端に低下(20℃以下)する季節は必ずヒーターやエアコンの温度を25℃前後に設定し、24時間体制で室温をコントロールしましょう。
定期的に放鳥をさせる
ヨウムを小屋のように大きなケージで飼育している場合は特に放鳥は必要ありませんが、一般的な小さなケージで飼育している場合はヨウムのストレスを発散するために定期的に放鳥を行いましょう。
放鳥は出来る限り毎日行いたいところです。毎日が難しい場合は約2~3日に1回を目安に行うようにしてください。ヨウムの放鳥をサボってしまうと次第に運動不足となり肥満や病気の原因になります。
毎日の日光浴
ヨウムは日光浴をする(紫外線を浴びる)ことで体内で「ビタミンD」を生成することができます。
ビタミンDには摂取したカルシウムの吸収を手助けする効果や血液中のカルシウム濃度を一定に保つ効果があるため、毎日ヨウムに日光浴をさせてあげる必要があります。
ビタミンDが不足するとヨウムが「クル病(ビタミンD血管症)」を発症する可能性が上がります。
反抗期に注意しよう
ヨウムも人間と同じように青年期になると反抗期を迎えます。個体によっては反抗期が無い場合もありますが、大多数のヨウムは人間に攻撃的な時期(生涯に1~2回)があります。
ヨウムが反抗期を迎えるとステップアップ(鳥を手に乗せる)を拒んだり、手で体を撫でようとすると手に噛みついてくることもあります。問題行動はヨウムの反抗期が終わるまで続きます。
しかし、個体によってはクリッピング(風切り羽を切る)をすることで反抗が収まる場合もあります。
ヨウム飼育【まとめ】
ヨウムは犬や猫よりも賢くて懐きやすいことからペットとして飼おうと思う方が沢山居られますが、ヨウムに適切な環境で飼育すると最低でも40年以上、時には70年近く生きる場合もあります。
ヨウムが寿命を迎えるまで飼育し続けることができるのか、もしくは代わりにヨウムの面倒を見てくれる人物がいるのかキチンと確認の上、ヨウムの飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。