文鳥は頭が良く懐きやすいことから昭和50年代には文鳥の飼育者が急激に増加した“文鳥ブーム”が発生しました。その人気は今でも続いており、小鳥の中でも文鳥はトップクラスに人気があります。
また、文鳥は踊りを踊ることで求愛する「求愛ダンス」や、歌を歌うことで求愛する「求愛ソング」といった特徴的な方法の求愛行動をする事でも有名な鳥です。
この記事では、文鳥の寿命や種類等、文鳥の飼育に関する情報をご紹介します。
文鳥ってどんな鳥?
文鳥の大きさ |
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14-17cm |
特徴
文鳥は“黒い頭部と白い頬、先端に近づくほど薄くなるピンク色のくちばし”が特徴的です。
文鳥には歌を歌ったりダンスを踊る習性があります。この習性は主にオスの文鳥がメスの文鳥に対して取る「求愛行動」の一種ですが、仲間とコミュニケーションを取る際にも時々確認されます。
通常、求愛ダンスや求愛ソングはオスの文鳥がメスの文鳥に対して自分をアピールするため行いますが、時にはメスの文鳥がオスの文鳥に対して求愛ダンスや求愛ソングを行う場合もあります。
性格
- 人懐っこい
- 縄張り意識が強い
- 気分屋
文鳥は人間によく懐くことから「温和な性格」であると勘違いされやすいのですが、実は文鳥は縄張り意識が強い鳥であり、一緒に暮らしている仲間内でも気に入らないことがあると喧嘩します。
これは仲間内に限ったことではなく、気に入らない人間に対しても同じような攻撃的な行動を取る事がありますが、気に入ってる(懐いている)人間に対して攻撃することは殆どありません。
そのため、文鳥に懐いてもらうためには“雛の時期から大切に愛情を込めて育てる”必要があります。
生息地
文鳥はアメリカ、インドネシア、フィルピン、メキシコ等世界各地に幅広く生息しています。
文鳥は日本ではペットとして非常に人気がありますが、野生の文鳥が生息している国や地域では米やトウモロコシなどの農作物を食べて畑を荒らしてしまう害鳥として扱われることもあります。
文鳥の寿命
文鳥の寿命 |
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7-10年 |
文鳥の平均寿命は約7-10年と小鳥としては比較的長いです。文鳥に適した環境で飼育することで中に10年以上生きた個体も確認されており“最長寿命は約14年”という記録も残っています。
文鳥の値段
文鳥の値段 |
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1500-10000円 |
文鳥の値段は種類や時期によって大きな差があります。
文鳥の原種である「ノーマル文鳥」の値段は約1500-2000円と安価で販売されていますが「シルバー文鳥」や「クリーム文鳥」等の希少性の高い種類は約5,000-10,000円と数倍近い値段になります。
基本的に文鳥の値段は流通量(入荷量)によって変動するため、文鳥の繁殖期である時期は値段が安くなる傾向にありますが、冬場は飼育にコストが必要なことから値段が高くなる傾向にあります。
文鳥の種類(色変わり)
ノーマル文鳥
- ピンク色のクチバシ
- 黒い頭部と尻尾
- 白色の頬
- 灰色の羽色
ノーマル文鳥は原種に最も近い文鳥の一種です。ノーマル文鳥は野生の文鳥が持つ本来の配色パターン(黒色・白色・灰色・ピンク色)を持っており、文鳥の種類の中でも特に人気があります。
白文鳥
- 真っ白な羽色
白文鳥はノーマル文鳥が突然変異したことによって日本で誕生した品種です。
白文鳥は文鳥の特徴である配色パターンが無くなり、ピンク色のクチバシを残して全身が真っ白な色になっていますが、白文鳥が持つ白色の羽色は個体によって若干の差があります。
白文鳥の中にはノーマル文鳥に近い薄い灰色がかった羽色を持っている個体もいますが、羽根が抜けて生え変わる(換羽)につれて徐々に羽色が白色に変化していきます。
桜文鳥
- 頭部と胴体に入る白色の斑点模様
桜文鳥はノーマル文鳥と白文鳥を掛け合わせたことによって生まれた品種です。
桜文鳥の配色パターンはノーマル文鳥が軸(主体)となっており、頭部や胴体の一部に白文鳥が持つ白色の羽色(模様)が入る形となっています。
桜文鳥が持つ模様は個体が持つ遺伝子構造によって決定されるため、各々が個性的です。
シナモン文鳥
- ベージュ色の羽色
- シナモン色と頭部と尻尾
シナモン文鳥は、ノーマル文鳥が持つ黒色のメラニン色素が茶色に変化したことから生まれた品種であり、その影響で羽色が黒色からベージュ色に変化しています。
シナモン文鳥が持つメラニン色素の量は個体によって差があるため、濃いベージュ色の羽色をした個体から薄いベージュ色の羽色をした個体まで、個体によって様々です。
別名「フォーン」ともいいます。
クリーム文鳥
- 淡いベージュ色の羽色
- クリーム色と頭部と尻尾
- 赤みがかった眼球
クリーム文鳥はシナモン文鳥と非常に似ていますが、クリーム文鳥はシナモン文鳥よりも更にメラニン色素が薄いため、個体によっては眼球の色が赤みを帯びている場合もあります。
シナモン文鳥同様にクリーム文鳥が持つメラニン色素の量は個体によって差があるため、淡いベージュ色の羽色をした個体から白色に近い羽色をした個体まで、個体によって様々です。
クリーム文鳥は希少性が高い珍しい品種であるため、ショップで見かける機会があまりありません。
シルバー文鳥
- 銀白の羽色
シルバー文鳥の特徴である銀白色の羽色は個体によって明るさに若干の差があります。
青みが強い銀白の羽色をした個体は「ダークシルバー」という名称に変わり、白色に近い銀白の羽色をした個体は「ライトシルバー」という名称に変わって販売されることもあります。
パイド文鳥
- 頭部と胴体に入った斑模様
ハイド文鳥は全身に不規則に入った斑模様が特徴的な品種です。
パイド特有の斑模様は遺伝子構造によって決定されます。以上の理由から羽色と模様が完全に一致するパイドは殆ど存在しないため“全てのパイドがオリジナルな模様”を持っているのです。
また、パイドは他の文鳥が持つ羽色を全て網羅しています。正確にはパイドが全て文鳥の色を持つというよりも“全ての種類の文鳥にパイドが存在する”といった方が正しいのかもしれません。
別名「ゴマ塩文鳥」ともいいます。
アゲイト文鳥
- 胸部と下腹部で異なる羽色
アゲイド文鳥は胸部と下腹部で異なっている羽色が特徴的です。
アゲイト文鳥はパイド文鳥と同様に他の文鳥が持つ羽色を全て網羅していますが、アケイト文鳥は完全に固定化されていないため、希少性が非常に高く市場に流通する事も殆どありません。
文鳥の飼い方と注意点
飼育に必要な飼育用品
- ケージ(鳥かご)
- パーチ(止まり木)
- エサ入れ・水入れ
- ヒーター
- 体重計
- 体温計
- オモチャ
- 水浴び用容器
- キャリーケージ
文鳥の飼育に必須な飼育用品は「ケージ」「パーチ」「食器」「ヒーター」の4つです。
その他の飼育用品に関しては必要に応じて用意するという認識で問題ありませんが、キャリーケージは動物病院へ連れて行く必要がある時に無いと不便ですので用意しておきたいところです。
温度・室温管理
- 約20-28℃
文鳥は温暖な地域に生息しているため暑さには耐性がありますが、極端な寒さには弱いです。
文鳥は15℃以上ならば凍死してしまうといったことはありませんが、冬場は気温が15℃を下回ることも少なくありませんので、必ずヒーターを使って文鳥に適切な室温(約20-28℃)を保ってください。
定期的に水浴びさせる
文鳥には水浴びをする習性があるため、定期的に水浴びをさせる時間を作りましょう。
水浴びには体の汚れを落とす効果だけでなく“ストレスを発散しリラックスする”効果もあります。
水浴びが嫌いな文鳥には無理に水浴びをさせる必要はありませんが、大半の文鳥は水浴びが大好きであるため、水浴びをさせる頻度は約1週間に1回を目安にするといいでしょう。
定期的に放鳥させる
小さなケージの中では十分に運動する事ができないため、定期的に放鳥させる必要があります。
放鳥時間は1日1回約15-60分を目安にしてください。毎日放鳥させることが難しい場合は毎日ではなく二日や三日おきでも良いので、なるべく放鳥させる頻度が高くなるように努めてください。
コミュニケーションを大切に
文鳥にとっての仲間は飼い主しかいません。飼い主が他に飼っている動物や物事ばかりに集中してしまうと文鳥が孤独を感じてしまうため、毎日文鳥と話をしたりオモチャで遊んであげましょう。
文鳥は好きと思った相手には目一杯甘えますが、嫌いと思った相手には甘えるどころか触れられることすら嫌がるわかりやすい性格をしているので、文鳥のためにも沢山構ってあげてください。
文鳥飼育【まとめ】
全長 | 14-17cm |
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寿命 | 8-10年 |
値段 | 2,000円-10,000円 |
人気度 | ★★★★★ |
飼育難易度 | ★★★★★ |
文鳥は「セキセイインコ」や「オカメインコ」と同様にペットとして特に人気がある鳥です。
しかし、文鳥は感情に素直であり少し喧嘩っ早い個体が多い傾向にあるため、文鳥を多頭飼いをする場合は、一方的に虐められてしまう個体が出ないようにシッカリと見守ってあげてくださいね。