近年の日本にはフクロウカフェが普及したことでフクロウが身近な動物になりつつありますが、フクロウが珍しい動物であることに変わりはないため、飼育に関する情報が錯綜してしまっています。
偶然大人しい個体を購入した人は「フクロウの飼育は簡単」だと主張しますが、逆に問題を起こすヤンチャな個体を購入してしまった人は当然「フクロウの飼育は難しい」と主張するのです。
このようにフクロウの性格によって飼育難易度は変わります。飼育難易度が高いフクロウを飼ってしまい後になって後悔しないためにも、本来のフクロウの姿というのを理解しておきましょう。
この記事では、フクロウを実際に飼ってみて大変だったことや後悔したことについて解説します。
フクロウを実際に飼ってみて後悔 & 大変だったこと
食事がグロテスク
見た目は可愛らしい…けれども、フクロウは動物の生肉を食べて生きている獰猛な猛禽類です。
故にフクロウに与える食事は当然動物の生肉になりますが、一般的なスーパーで販売されている動物(牛や鳥等)の生肉は内臓が除去されており栄養価が低いため、フクロウのエサには適していません。
そのため、フクロウのエサには内臓付きのウズラの雛やニワトリの雛(ヒヨコ)等を与える必要がありますが、エサの不要な部分を処理(排泄物の入った小腸を取り除く)をする必要があります。
スーパーで販売されているような加工された生肉ではなく、生々しい動物のお腹を切り開いて小腸を取り除く。グロ系は苦手な方も多いと思いますが、この作業を定期的にやらなくてはいけません。
鳴き声が大きい
フクロウの鳴き声の大きさは個体によって大きな差があります。「フクロウの鳴き声は小さいからマンションでも安心、この子は普段あまり鳴かないよ」等という言葉を簡単に信じてはいけません。
何故ならフクロウには『テリトリーコール』を行う習性があります(テリトリーコールとは、大きな鳴き声を出して周囲に自分の存在をアピールし、自分の縄張りを主張する行為のこともいいます)。
中には本当にあまり鳴かない静かな子もいますが、夜中になると大騒ぎするような子もいるのです。
部屋の掃除が大変
基本的にフクロウは特定の場所にトイレをすることができませんし、フクロウの羽根からは「脂粉」や「ハウスダスト」が発生するため、部屋を清潔を保つためには毎日の掃除が必須です。
換羽期になると脂粉やハウスダストの発生量が更に増えます。ハウスダストアレルギーを持っている方は症状が悪化してしまうことも考えられます(重度のアレルギー体質の方は注意が必要)。
病気に気づきにくい
フクロウは自分が弱っていることを悟られないように病気を隠します。病気になっても普段と変わらない姿を演じ続けるため、何か異変に気が付いた時には既に手遅れということも少なくありません。
フクロウの診察が可能な動物病院は限られています。「病気を早期発見するために定期検診を受けさせたいけど近場に病院がない」このようなことが起きることも決して珍しくはありません。
飼育にお金がかかる
フクロウの飼育には様々な費用が掛かります。環境を整える(飼育用品)費用や毎月のエサ代は勿論、定期検診や予防接種等の医療費用も必要です(病気に罹ってしまうと更に金銭的負担が増えます)。
単純にフクロウを生かすだけなら定期検診や予防接種を受けさせる必要はありませんが、フクロウの健康を願い長生きしてもらいたいと思うであれば、既述の医療費は必要不可欠な出費になります。