コザクラインコは「セキセイインコ」や「オカメインコ」等と同様に人間に対して懐きやすいため、初めてインコを飼育する初心者の方から愛好家の方まで、幅広い層に人気があります。
しかし、コザクラインコは他の種類のインコと比べると噛む力が非常に強いため、人間を甘噛みする癖が付かないように甘やかさずにキチンと躾けをする必要があります。
この記事では、コザクラインコの寿命や種類等、コザクラインコに関する情報をご紹介します。
コザクラインコってどんな鳥?
コザクラインコの大きさ |
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15-17cm |
特徴
緑色と赤色の羽色が特徴的なコザクラインコは社会性が高いため野生では集団で生活しており、パートナー(ツガイ)に対しての愛情がとても強いことから「ラブバード」という名称を持っています。
コザクラインコがパートナーと認める相手は決して同種間に限ったことではありません。雛の時期から一緒に過ごした人間やその他の動物をパートナーと認識することもあります。
性格
- 人懐っこい
- 好奇心旺盛
コザクラインコはインコの中でも特に自己主張が激しいです。好きな物や人に対してはベタベタと甘えてくる人懐っこい一面を見せますが、嫌いな物や人には噛みついたりと攻撃的な行動を取ります。
また、コザクラインコは他種の小型インコ(セキセイインコ等)よりも噛む力がとても強いため、キチンと躾けをしないまま成鳥になると様々な問題を起こす問題児になってしまいます。
コザクラインコの寿命
コザクラインコの寿命 |
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10-15年 |
コザクラインコの寿命は約10-15年と小型の鳥類としてはかなり長い寿命を持っているため、適切な環境で飼育することによって中には20年以上生きた個体も確認されています。
コザクラインコの寿命は個体によって大きな差がありますが、健康管理の有無が寿命に大きな影響を与えるため、コザクラインコに長生きしてもらうためには食事や運動の管理が大切になります。
コザクラインコの値段
コザクラインコの値段 |
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8,000-50,000円 |
コザクラインコの値段は種類や購入するペットショップによって大きな差があります。
コザクラインコの原種である「ノーマル」は1万円以下で購入することができますが、希少性の高い「アルビノ」や「バイオレット」はノーマルの数倍、時には数十倍以上の値段になります。
コザクラインコの相場(羽色別)
コザクラインコの値段は主に種類によって決定されますが、コザクラインコは成鳥に近づくにつれて値段が安くなる傾向にあるため、生まれた年月(雛か成鳥)によって値段にかなりの差があります。
以下はコザクラインコの雛の平均的な販売価格を一覧化したものですが、コザクラインコは同じ種類であっても個体の状態(美しさ)や入荷する時期によって価格は変動します。
種類(毛色) | 販売価格 |
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ノーマル | 8,000~12,000円 |
オリーブ | 12,000~18,000円 |
バイオレット | 12,000~18,000円 |
クリーム | 12,000~18,000円 |
ルチノー | 12,000~18,000円 |
ホワイトフェイス | 12,000~18,000円 |
オレンジフェイス | 12,000~18,000円 |
パイド | 12,000~30,000円 |
アルビノ | 25,000~40,000円 |
コザクラインコの種類(色変わり)
ノーマル
- 緑色の羽色
- 額から胸にかけて入る赤色
ノーマルは緑色と赤色の羽根が特徴的なコザクラインコの原種に最も近い品種です。
コザクラインコには異なる羽色を持った色変わりの種類が沢山いますが、ノーマルはコザクラインコの原種に最も近いということもあり、コザクラインコの定番カラーとして特に人気があります。
オリーブ
- 濃い緑色の羽色
- 尻尾にかけて入った青灰色
オリーブはノーマルと少し似ていますが、全体的にノーマルよりも羽色が濃い緑色をしています。
オリーブは個体によって羽色の色や濃さに大きな違いがあります。ノーマルと同じような緑色と赤色の羽色を持った個体から緑色と黄色の羽色を持った個体まで、羽色とその濃さは様々です。
バイオレット
- 青紫色の羽色
バイオレットは「ダーク因子」という羽色がくすんだ色になる遺伝子を持っている品種です。
バイオレットは個体によって羽根の色に違いがあります。バイオレットの羽色はメラニン色素の量に影響されるため、青色に近い羽色をした個体から紫色に近い青紫色の羽色をした個体まで様々です。
クリーム
- クリーム色の羽色
- 黄色のクチバシ
- 赤みがかった眼球
クリームはパステル系の薄い毛色と濃い黄色のクチバシが特徴的です。
クリームは個体によって羽根の色に違いがあります。クリームの羽色はメラニン色素の量に影響されるため、白色に近い薄い羽色をした個体から黄色のような濃い羽色をした個体まで様々です。
ルチノー
- 黄色の羽色
- 額から胸にかけて入る赤色
- 赤みがかった眼球
派手な黄色と赤色の羽色が特徴的なルチノーはコザクラインコの中でも特に人気がある品種です。
ルチノーはコザクラインコの原種が持つ黒色のメラニン色素が欠落しているため、全身の羽毛から黒色の色素が抜けています。黒色の色素を持たないという性質上、眼球は若干の赤みを帯びています。
アルビノ
- 白色の羽色
- 赤色の眼球
アルビノは遺伝子失陥を抱えているため、羽色は真っ白で眼球は真っ赤な色になっています。
アルビノはメラニン色素を持っていないという性質上、他の種類のコザクラインコよりも日光に含まれる紫外線の影響を受けやすいため、紫外線が原因になる皮膚ガンを発症しやすい傾向にあります。
パイド
- 多種多様な羽色
- 不規則に入る斑模様
パイドは英語で「斑」をという意味があり、その名の通りパイドの体には斑模様が入っています。
パイドが持つ斑模様は主に個体が持つ遺伝子の構造によって決定されるため、全てが同じ模様のパイドは存在しません。全てのパイドが自分だけのオリジナルな模様を持っています。
ホワイトフェイス
- 白色の顔周り
ホワイトフェイスは名前の通り顔周りの羽色が白色になっている個体のことをいいます。
顔周りが白色のコザクラインコは全てホワイトフェイスと名付けられるため、顔周りが白色のバイオレットならば「ホワイトフェイス(WF)バイオレット」という名称になります。
オレンジフェイス
- オレンジ色の顔周り
オレンジフェイスは名前の通り顔周りの羽色がオレンジ色になっている個体のことをいいます。
顔周りがオレンジ色のコザクラインコは全てホワイトフェイスと名付けられるため、顔周りがオレンジ色のルチノーならば「オレンジフェイス(OF)ルチノー」という名称になります。
コザクラインコの飼い方と注意点
飼育に必要な飼育用品
- ケージ(鳥かご)
- パーチ(止まり木)
- エサ入れ・水入れ
- ペットヒーター
- 水浴び用ケース
- 温湿度計
- キャリーケージ
コザクラインコの飼育に必須な飼育用品は「ケージ」「パーチ」「食器」「ヒーター」の4つです。
その他の飼育用品に関しては必要に応じて用意するという認識で問題ありませんが、キャリーケージは動物病院へ連れて行く必要がある時に無いと不便なため、是非用意しておきたいところです。
温度・室温管理
- 約25-28℃
コザクラインコは温暖な地域に生息しているため、気温が下がる冬は加温する必要があります。
室温はコザクラインコが快適に過ごせる約25-28℃を保つのが理想ですが、コザクラインコが成鳥であり気温が15℃を下回らない地域であれば、冬場でも加温無しで飼育することができます。
ケージの掃除
コザクラインコはエサを食べる量も排泄物の量も多いため、ケージはコマメに掃除してください。
特にパーチ(止まり木)に付着した排泄物を放置してしまうと”排泄物から細菌が繁殖し病気の原因”となってしまうため、常にケージ内が衛生的な環境となるように心がけましょう。
糞受けを掃除する頻度
糞受けは”毎日掃除することが理想”です。糞受けの掃除は、新聞紙を取り換えるという簡単な作業だけですので、どんなに忙しい場合でも2-3日に1回は掃除するようにしてください。
一週間以上掃除をサボってしまうと悪臭が発生するようになってしまいますし、何よりも不衛生な環境で飼育し続けているとコザクラインコが病気に罹ってしまうので注意しましょう。
鳴き声・防音対策
- 防音ケージを利用する
- 遮音カーテンを利用する
- ケージにアクリルケースを被せる
- 床や壁など、ケージに接する面に布を敷く
- 窓を開けっぱなしにしない
コザクラインコは繁殖期になると「ぐぜり(さえずりの練習)」を大きな鳴き声で行うため、近所の方の迷惑とならないように必ず上記で述べたような防音対策を行いましょう。
繁殖期による鳴き声(ぐぜり)を躾けることは難しいですが、その他の鳴き声に関しては躾けることが可能であるため”鳴き癖をつけさせないことが防音対策として何より大切”になります。
鳴き癖・噛み癖
コザクラインコは、好奇心旺盛でパートナー(人間)とコミュニケーションを取りたがります。
飼い主に構ってほしい時には甘噛みをすることで気を引こうとしてきますが、相手にしてくれないとわかると強めに噛んでくるようなヤンチャの子もいるため、キチンと躾けをする必要があります。
癖を付けさせない
コザクラインコはケージから出してほしい時やエサが欲しい時など、何か飼い主に対して要求がある時に甘噛みをしたり鳴き声をあげることで催促(お願い)をしてくる場合があります。
この時に要求を答えてしまうとコザクラインコは”甘噛みをしたことで〇〇をしてもらえた”と覚えてしまい、要求が叶うまで甘噛みや鳴き声を上げ続けるような癖がついてしまいます。
癖がついてしまった場合
コザクラインコに噛み癖や鳴き癖が付いてしまった場合は躾け治す必要があるため、コザクラインコが噛むことで(鳴くことで)何かを要求してきた際は相手にせず無視してください。
無視されたコザクラインコは暫くすると大人しくなります。大人しくなってから要求に応えてあげることで、コザクラインコは”大人しくしてたから〇〇をしてもらえた”と認識することができます。
定期的に日光浴をさせる
コザクラインコは日光浴をすることで体内で「ビタミンD」を生成することができます。
ビタミンDには摂取したカルシウムの吸収を手助けする効果があります。コザクラインコはカルシウム不足に伴う病気「クル病」を発症しやすいため、日光浴をさせて病気を未然に防ぎましょう。
日光浴の頻度と注意点
コザクラインコに日光浴をさせる頻度は、1-3日に1回を目安にしましょう。
気温が高い夏場に日光浴をさせる場合は、コザクラインコが熱中症になってしまう可能性が高いため、ケージの上に新聞紙やタオルを置いてケージの中に日陰が出来るように調節してください。
定期的に水浴びをさせる
コザクラインコは水浴びをする習性があるため、定期的に水浴びをさせる時間を作りましょう。
水浴びは体の汚れを落とし清潔を保つために必要となる行為ですが、その他にも水浴びを遊びとして行うことで、コザクラインコに溜まった”ストレスを発散しリラックスする効果”も期待できます。
水浴びをさせる頻度
コザクラインコに水浴びをさせる頻度に特に決まりはないため、1週間に1回を目安としてください。
コザクラインコの中には水浴びが嫌いな変わった個体もいます。水浴びは体の清潔を保つためにも出来る限り行いたいですが、そういった個体に無理やり水浴びをさせるといった必要はありません。
定期的に放鳥する
放鳥はコザクラインコの健康を維持し、溜まったストレスを発散するために必要不可欠な行為です。
コザクラインコを大きな小屋で飼育している場合は部屋で放鳥をさせる必要はありませんが、一般的なケージで飼育している場合はコザクラインコが自由に運動できる放鳥の時間を作りましょう。
放鳥の頻度と注意点
コザクラインコの放鳥は、1日に1回約15-30分を目安に行いましょう。毎日放鳥させる時間を作ることが難しい場合は飼い主の都合に合わせて放鳥する形でも問題はありません。
しかし、コザクラインコを長期間放鳥させていないと運動不足になってしまいます。運動不足は”肥満や病気の原因”になりますし、運動不足に伴うストレスから体調を崩してしまうこともあります。
コザクラインコ飼育【まとめ】
コザクラインコは心を許した相手に対しては甘えん坊な一面を見せますが、知らない人間や動物に対しては当たりが強く、攻撃的な行動を取る事もあるので少し注意しなくてはなりません。
また、コザクラインコは他種の小型・中型インコと比べると噛む力が特に強い品種であるため、噛み癖が付かないようにキチンと躾けをしながら愛情をこめて大切に育ててあげてくださいね。