ウズラは日本人にとって身近な存在であり、ウズラの卵はスーパーでも販売されています。
食用として売られているウズラの卵は殆どが無精卵の卵ですが、極稀に有精卵の卵が混ざっていることがあるため、スーパーで販売されているウズラの卵を孵化させることも不可能ではありません。
この記事では、ウズラの卵を孵化させるために必要な道具や温度、日数についてご紹介します。
ウズラの卵を孵化させるためには
ウズラの卵を孵化させるためには有精卵であるウズラの卵を用意する必要があります。
スーパーで販売されているウズラの卵の中に有精卵が入っている確率は約20個に1個(5%)であり、殆どの卵が無精卵であるため、先ずは“有精卵であるウズラの卵を入手”しなければなりません。
有精卵の見分け方
有精卵を見分けるには「卵を割って確認する方法」と「光を当てて確認する方法」があります。
有精卵を見分けるのに手っ取り早いのは卵を割って確認することですが、基本的に割ってしまった卵を孵化させることはできないため、光を当てる方法で有精卵を見分けましょう。
光を当てて確認する方法
ウズラの卵に下から光を当てることで、卵を割らずに卵の中身を確認することができます。
この時に“ウズラの卵の中に血管が確認できれば有精卵”であることが確定しますが、この方法で確認するにはウズラの卵を温め始めてから約一週間以上経過している必要があります。
一週間以上経過しており、卵の中に血管が確認できない場合は無精卵であるという証拠です。
ウズラの卵を孵化させる道具
ウズラの卵を孵化させるためには「孵化器」や「保温電球」という道具を用意する必要があります。
パネルヒーターやカイロ等でもウズラの卵を孵化させることは可能ですが、卵全体を温めることができない道具は卵の温度を管理することが難しいため、殆どの卵が孵化しなくなってしまいます。
以上の理由から、一般的にウズラの卵を孵化させる時には孵化器を使う場合が殆どです。孵化器には卵を保温し自動的に転卵する機能が備わっているため、自動的に孵化させることもできます。
ウズラの卵の孵化に必要な温度と日数
ウズラの卵は“温度を37-38℃に保つことで約15-19日”で孵化します。
ウズラを孵化させるために最も重要な事は卵の温度を一定に保つことであり、卵の温度変化が激しいと卵が死んでしまう可能性が高いため、孵化器を使う等して卵の温度を一定に保ちましょう。
また、ウズラの卵の孵化に必要な時間は卵の温度が高い程早くなる傾向にありますが、卵の温度が高すぎると卵が死んでしまいますので、卵の温度は必ず適正な温度(37-38℃)にしてください。

ウズラの卵を孵化させる手順
1. 孵化に必要な環境を作ろう
ウズラの卵を孵化させるには「発泡スチロール」や「プラケース」等の容器を用意しましょう。
容器は段ボール等の箱でも代用することができますが、中でも発泡スチロールは飛びぬけて保温性に優れているため、特に理由のない限りは発泡スチロールを用意したいところです。
ウズラの卵を入れるための容器を用意できたら、その中にタオルを敷いて保温電球を設置します。
2. 定期的に転卵しよう
転卵にはウズラの卵が孵化しやすくなり“卵内の胚が卵殻に癒着するのを防ぐ効果”があります。
転卵をする頻度は約1時間に1回が理想です。高頻度で転卵をすることが難しい場合は少し頻度を落としても問題ありませんが、最低6時間に1回を目安に行うようにしてください。
しかし、孵化直前まで転卵し続けていると“生まれてくる雛の状態が悪くなってしまう”傾向にあるため、転卵は孵化予定日の2-3日前(温め始めてから約二週間後)にやめておきましょう。
3. 卵が孵化したら
ウズラの雛を育てるためには“室温を37℃前後に保つ”必要があります。
卵から孵化したウズラの雛は卵白で体が濡れており体温が低下しやすい状態であるため、雛の体が完全に乾くまでは、孵化に使っている容器の中から出さないでください。
雛の体が完全に乾いたら室温37℃になっている水槽やプラケースに移動させます。ウズラは約1ヵ月程でヒーターが必要なくなるため、雛の成長に合わせて徐々に室温を下げていきましょう。
ウズラの卵を孵化させる方法【まとめ】
スーパーで売っている食用のウズラの卵は殆どが無精卵であるため、ウズラを孵化させたい場合は有精卵である可能性が高い“有精卵と記載されているウズラの卵”を購入するようしましょう。
孵化器があればウズラの卵をセットするだけで誰でも簡単に孵化させることができますが、親鳥が卵の面倒を見るように手作業でウズラの卵を孵化させる過程を楽しむのもまた一興ですね。
