臆病な性質のチンチラはストレスを感じやすい繊細な動物です。室温や湿度が高すぎる等の不適切な飼育環境や飼い主さんによる過度なスキンシップはチンチラが体調を崩してしまう原因になります。
「ストレスと病気って関係あるの?」と思っているの方も多いと思いますが、過度なストレスは免疫力が低下する原因になります(免疫力が低下すると本来ならば罹らない病気を発症しやすくなる)。
この記事では、チンチラが罹りやすい病気の主な原因・症状と予防法について解説していきます。
チンチラが罹りやすい病気と症状・原因
熱中症(ねっちゅうしょう)
- 室温や湿度が不適切
熱中症とは、急激に体温が上昇したことにより脱水症状を引き起こしている状態のことをいいます。
症状が比較的軽度な場合は「食欲不振」や「体調不良」等で済みますが、適切な処置をせずに症状がが進行してしまうと「脳卒中(脳損傷)」や「臓器不全」等の死亡する高い症状を引き起こします。
予防法について
チンチラが快適に感じる温度は約20℃/湿度40%以下です。室温が25℃以下である場合は高湿度でない限り熱中症のリスクはありませんが、室温が27℃を超えると一気に熱中症の発症率が上がります。
そのため、熱中症を予防するには常にエアコンを稼働させ続けることが大切になります。チンチラにとって理想的な湿度は40%以下であるため、最低でも湿度を50%以下に保つようにしてください。
不正咬合(ふせいこうごう)
- 歯が伸びすぎている
不正咬合とは、チンチラの歯が正常な位置に整列してない状態をいいます。初期症状は「噛み合わせが悪い」や「口内の怪我」等で済みますが、治療せずに放置すると次第に重症化していきます。
痛みの有無は歯の生えている方向によって変わるため一概には言えませんが、どちらの場合も適切な処置をしないと次第に伸びた歯が歯茎や頬の肉を突き破り食事が出来なくなる場合もあります。
予防法について
不正咬合を予防するにはチンチラの歯を削る効果のある「牧草(チモシー)」や「齧り木」を与えることも大切ですが、定期的にチンチラの歯の状態を確認してあげることが何よりも大切になります。
チンチラの歯をチェックしたりカットするのは怖いという飼い主さんの場合はチンチラの診察に対応している動物病院に定期検診に連れていくことで不正咬合の発症を完全に予防することができます。
消化器疾患(しょうかきしっかん)
- ストレス
- 不適切な食事
- 病気の合併症
消化器疾患とは、消化器系(胃腸)に異常が起きている状態のことをいいます。初期症状は「下痢・嘔吐」や「食欲不振」等で済みますが、重症化すると腹部にガスが溜まり痛みを伴うようになります。
予防法について
チンチラは特に消化器系(胃腸)が弱い傾向にあるため、消化器の負担になりやすい炭水化物や水分が多分に含まれている野菜は出来る限り与えないでください(おやつ程度なら問題ありません)。
適切な食事を与えていれば消化器疾患は滅多に起こりませんが、消化器疾患は体調を崩していたり他の病気を患っている際に発症しやすい病気であるため、食事の管理だけでは完全には防げません。
脱毛症(だつもうしょう)
- ストレス
- 感染症(真菌症)
脱毛症とは、身体の一部分または全身の被毛が異常に抜けて落ちている状態のことをいいます。主な症状は被毛が抜け落ちるだけですが、同時に真菌症を発症している場合は皮膚が爛れていきます。
予防法について
脱毛症は主に「ストレス」や「動物同士の喧嘩」等で被毛に強い力が加わったことで発症するため、脱毛症を予防するにはチンチラにストレスを感じさせない環境を用意しましょう(砂浴びは必須)。
また、脱毛症を発症する原因になる「真菌症」という感染症はカビが原因となります。カビは湿度が高いと発生・繁殖しやすくなるため、室温管理と同様に湿度管理もキチンと行う必要があります。
チンチラが罹りやすい病気と症状・原因【まとめ】
チンチラは病気に罹ると毛並みが悪くなり無気力でケージの隅にジッとしていることが増えたり、大好物の食べ物に興味を示さなくなったりと明らかに体調不良だということがわかるようになります。
しかし、体調不良が明らかな場合は気が付かないうちに病気が重症化している可能性が高く既に手遅れていうことも少なくありませんので、常日頃からチンチラを観察しておくことが大切になります。