モルモットの飼い方と注意点|特徴・寿命・種類・値段【まとめ】

モルモットは大人しくて飼育しやすいということからペットとして古くから根強い人気があります。

モルモットと聞くとハムスター等のネズミと同じように“何でも食べる雑食性”というイメージを持っている方が多く見受けられますが、モルモットは主に牧草を主食とする草食性の動物です。

この記事では、モルモットの寿命や種類等、モルモットの飼育に関する情報をご紹介します。

モルモットの特徴

モルモットの大きさ
20-40cm

特徴

モルモットはハムスターのようなズングリとした体型と小さな丸い耳が特徴的です。外見的な特徴はハムスターと酷似していますが、ハムスターとモルモットは完全な別種として分類されています。

また、モルモットは排泄物を食べる習性があります。モルモットは主に牧草を主食としていますが、牧草は体内で消化されにくいため、牧草が完全に消化される前に糞として排泄されてしまいます。

故にモルモットは完全に消化されていない牧草(糞)を再び体内に取り込み消化することで生命の維持に必要な栄養素を効率よく吸収しているのです(このような行為を“食糞”といいます)。

栄養素が豊富に含まれている糞のことを「盲腸便」といいます。

性格

モルモットの性格
  • 臆病
  • 神経質

モルモットは野生では肉食動物から逃れるために巣穴や物陰に隠れて生活している動物であるため、常に周囲を警戒する臆病で神経質な性格をした個体が多い傾向にあります。

個体によっては大きな物音や足音が聞こえるとパニック起こして暴れてしまうことも考えられます。故にモルモットに懐いてもらうためには驚かさないようにすることが最も大切になります。

モルモットの寿命

モルモットの寿命
3-8年

モルモットの寿命は種類や個体によって差があります。日本で飼育されている一般的なモルモット(ショートモルモット)の寿命は大半が5年以下、長くても7.8年程しか生きることができません。

適切な環境で飼育することによっては10年近く生きるような場合もありますが、モルモットの種類や個体によっては、適切な環境で飼育していても3年程で亡くなってしまう場合もあります。

モルモットの最長寿命は14年10ヶ月という記録がギネスブックに登録されています。

モルモットの値段

モルモットの値段
5,000-30,000円

モルモットの値段は種類や購入するペットショップによって差があります。

モルモット品種や毛色に特に拘りがない場合は約6000円前後で購入することができますが、珍しい毛色を持った個体は通常品種の2~10倍近い値段で販売されることもあるほど価値が高くなります。

モルモットの種類

ショートモルモット

ショートモルモットの特徴
  • 短い被毛
  • バリエーション豊富

ショートモルモットは日本で最も流通しているモルモットです。故に日本のペットショップで販売されているモルモットの大半は本種または本種の改良品種ということになります。

ショートモルモットは短毛種ということから日本では「ショートモルモット」と呼ばれていますが、海外では「アメリカンモルモット」「イングリッシュモルモット」という別の名称があります。

巻き毛モルモット

巻き毛モルモットの特徴
  • 癖の強い被毛
  • 身体に入ったツムジ(ロゼット)

巻き毛モルモットはその名の通りクルクルとした巻き毛のような被毛が特徴的な品種です。

巻き毛モルモットの毛質は個体によって大きな差があるため、中には巻き毛モルモットであるのにも関わらず被毛がストレートに近い個体もいますし、寝癖のような強い癖が付いている個体もいます。

別名「アビシニアンモルモット」ともいいます。

艶がある毛質を持った個体は「サテン」と名付けられており、特に人気があります。

クレステッドモルモット

クレステッドモルモットの特徴
  • 前頭部のツムジ(ロゼット)

クレスデッドモルモットはショートモルモットの改良品種です。両種は血縁種ということもあり、互いに似た外見をしていますが、クレスデッドモルモットの前頭部には特徴的なロゼットがあります。

また、クレスデッドモルモットは毛色のパターンによって大まかに分類されています。ロゼット部分のみが白色の毛色をした個体はアメリカン系、それ以外の毛色は全てヨーロッパ系に分類されます。

ツムジを持っているモルモットのことを「ロゼット」といいます。

シェルティモルモット

シェルティモルモットの特徴
  • 艶のある長い被毛

シェルティモルモットは艶のあるストレートな被毛が特徴的な長毛種のモルモットです。シェルティモルモットが持つ被毛には癖が殆ど付いておらず、長い被毛が外形に沿うように流れています。

シェルティモルモットは他種のモルモットと違い被毛が長いため、ブラッシングでのお手入れは必須です。時には被毛をカットする必要になる場合もあります(転倒の原因になる)。

テディ(レックス)モルモット

テディモルモットの特徴
  • ゴワゴワとした縮れた被毛

テディモルモットはテディベア(熊の人形)のようなゴワゴワとした毛質が特徴的です。テディモルモットの毛質は個体によって大きな差が生まれるため、系統(遺伝子)によって分類されています。

現在確認されている毛質は「アメリカン系」「アビシニアン系」の二つです。アメリカン系は柔らかい毛質なのに対し、アビシニアン系は毛質は若干長めで硬くゴワついた毛質を持っています。

テディモルモットとレックスモルモットは同じ外見をしていますが、テディはアメリカ、レックスはヨーロッパで作出された品種であるため遺伝子上は別種になります。

モルモットの飼い方と注意点

飼育に必要な飼育用品

モルモットの飼育に必要な道具(飼育用品)
  • ケージ
  • 床材
  • 巣箱
  • 齧り木
  • ペットヒーター
  • エサ入れ・給水ボトル
  • キャリーケージ

モルモットの飼育に必須な飼育用品は「ケージ」「床材」「巣箱」「食器」の4つです。

その他の飼育用品に関しては必要に応じて用意するという認識で問題ありませんが、全ての飼育用品には必要となる理由があるため、余程の理由が無い限りは全ての飼育用品を揃えましょう。

エサは何を与える?

モルモットのエサは主食に「ペレット」を与え、副食には「牧草」「野菜」を与えましょう。

モルモットは主に草類を主食にする動物であるため、ハムスター等の雑食性の動物が食べる「ひまわりの種」「チーズ」は与えてはいけません(中には先ほど述べたような物を食べる場合もある)。

本来のモルモットが食べていない食べ物を与えるとモルモットが体調を崩してしまう可能性が高いため、余程の理由が無い限りは絶対に与えないようにしましょう。

健康的な糞か確認

与えているエサがモルモットに合っているのか確認したい場合は糞の状態を確認すればわかります。

適切なエサを摂取しているモルモットの糞は程よい硬さでシッカリと形を保っていますが、不適切なエサを摂取しているモルモットの糞は柔らかくなっており、指で摘まむと簡単に潰れてしまいます。

特に水分量が多く含まれており繊維質が少ない「レタス」「キュウリ」等の野菜を与えている場合は軟便になりやすいため、様子を見ながら個体に合った分量を与えるようにしてください。

柔らかい糞=体調を崩しているという訳ではありません。モルモットには食糞をする習性があるため「盲腸便」という下痢のような柔らかい糞をする場合があります。

温度・室温管理

モルモットに適切な室温
  • 約20-25℃

モルモットは体温調節が苦手な動物であり極端な暑さや寒さに耐性がないため、エアコンを使い室温をモルモットが快適に過ごせる温度(23℃前後)に保つ必要があります。

特に気温が15℃を下回るような冬場や気温が30℃を超えるような真夏日はモルモットが体調を崩しやすいので注意しましょう(場合によっては低体温症や熱中症を引き起こす可能性もあります)。

ケージの設置場所

モルモットは臆病でビビリな性格をした個体が多いため、ケージを設置する場所は必ず静かな場所を選びましょう。特に人が出入りする出入口付近はドアの開閉音も大きいので絶対に避けてください。

また、気温が上がりやすい季節(特に夏場)は必ず直射日光が当たらない位置にケージを移動させる、またはケージ内の面積の半分以上が日陰になるようにケージの設置場所を調節してください。

ケージ内に日陰を作ることでモルモットが暑いと感じた時に自由に日陰で涼むことができるようになるため、熱中症を発症するリスクを低下させることができます。

運動不足に伴うストレスに注意

モルモットは臆病な性格故にストレスを感じやすい動物であるため、ストレスが原因で体調を崩してしまったり場合によっては死んでしまうことも少ないありません。

そのため、モルモットにストレスを溜めさせないように気を使ってあげる必要があります。モルモットがストレスを感じる要因は様々ですが、代表的なものとしては「運動不足」が挙げられます。

運動不足を防ぐためには数日おきにケージの外へ出して運動させてあげるだけで問題ありません。元々モルモットは運動が得意な動物ではないため、回し車等の運動グッズも特に必要ありません。

モルモット飼育【まとめ】

モルモットは他種の動物と比べても鳴き声が小さい部類に入るため、集合住宅やマンションでも飼いやすい動物ですが、モルモットは非常にビビリな動物であり時には大きな声で鳴くこともあります。

特に孤独や恐怖を感じている時は鳴き声を出して自らの感情をアピールすることも多いです。故にモルモットを飼う際はモルモットの気持ちを察しながら共に暮らしていくことが大切になってきます。

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