ハリネズミの飼い方と注意点|特徴・寿命・種類・値段【まとめ】

近頃では可愛らしい外見からハリネズミを犬や猫のようにペットにする人が増えてきています。

しかし、一般的にハリネズミが多く飼われているという訳ではありません。そのため、何か困りごとがあった時には周りの人に頼ることができないため、自分で調べて解決することも必要となります。

この記事では、ハリネズミの寿命や種類等、ハリネズミの飼育に関する情報をご紹介します。

ハリネズミってどんな動物?

ハリネズミの大きさ
20-30cm

特徴

ハリネズミは主に森林や草原、砂漠等の乾燥地帯に生息する夜行性の動物です。

ハリネズミの名前の由来にもなっている背中にビッシリと生えた針のような物は、外敵から身を守るために体毛が進化した物であり、その数は約5000本以上あるといわれています。

性格

ハリネズミの性格
  • 臆病で神経質

ハリネズミは背中に生えた針のような体毛で天敵から身を守っていますが、野生では肉食動物に捕食されてしまう立場であるため、臆病で神経質な性格をしている個体が多い傾向にあります。

そのため、人間に懐かせるには“時間をかけて徐々に信頼関係を築いていく”必要があります。

分類

ハリネズミは名前に「ネズミ」と付いていますが、実際はネズミの仲間ではなくモグラの仲間です。

ハリネズミの寿命

ハリネズミの寿命
5-8年

ハリネズミの寿命は、生息(飼育)している環境によって大きな差があります。

野生のハリネズミは天敵が多いため、寿命は約1-3年とかなり短命ですが、天敵に襲われる心配のない飼育下では約5-8年と小型哺乳類としては比較的長く生きます。健康状態を管理することで更に長生きさせることも可能であり、中には10年以上生きた長寿な個体も確認されています。

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ハリネズミの値段

ハリネズミの値段
15000-40000円

ハリネズミの値段は、原産地と種類(カラー)によって大きな差があります。基本的に外国産のハリネズミは値段が安く、日本産のハリネズミは値段が高くなる傾向にあります。

また、同じ日本産で同じ種類のハリネズミであっても販売するブリーダーによる値段差があります。

ハリネズミの種類(カラー)

ハリネズミの主なカラー
  • ソルト&ペッパー(スタンダード)
  • シナモン
  • アプリコット
  • アルビノ
  • ホワイト

ソルト&ペッパー

ソルト&ペッパーの特徴
  • 白色と茶色の針
  • 茶色い鼻先

ソルト&ペッパーは名前の通り、針の色がソルト(塩)のような白色とペッパー(コショウ)のような茶色で構成されており、鼻先は茶色と黒色が混ざったような色をしています。

別名「スタンダード」ともいいます。

シナモン

シナモンの特徴
  • 白い針
  • 赤黒い鼻先

シナモンはソルト&ペッパーと比べると全体的に色素が薄くなっています。針は茶色が抜けて白くなっており、鼻先も同じように茶色が少し抜けて赤みを帯びています。

アプリコット

アプリコットの特徴
  • 白い針
  • ピンク色に近い鼻先

シナモンよりも更に色素が薄い個体のことをアプリコットといいます。色素が抜けた影響で鼻先がピンク近い色になっており、眼球が少し赤みがかっている個体も存在します。

アルビノ

アルビノの特徴
  • 白い針
  • ピンク色の鼻
  • 赤い眼球

アプリコットよりも更に色素が薄い個体の事をアルビノといいます。

アルビノはカラーのハリネズミと違って色素を一切持っていないため、鼻先や皮膚は完全なピンク色となっており、同じように眼球も真っ赤な色をしています。

アルビノは色素を持っていないことから直射日光による紫外線の影響を受けやすく、紫外線が原因となる皮膚病にかかりやすい傾向にあります。

ホワイト

ホワイトの特徴
  • 白い針
  • 黒色の眼球
  • 茶色い鼻先

ホワイトとアルビノの針の色は非常に似ていますが、先天的に色素を持たないアルビノに対してホワイトは色素を持っているため、ホワイトとアルビノを見分ける時は眼球の色を確認しましょう。

パイド

パイドの特徴
  • 茶色と白色の針
  • 茶色の鼻先
  • 斑模様

パイドは、ソルト&ペッパーと少し似ていますが、パイド最大の特徴は“斑模様”です。

ソルト&ペッパーは黒色と白色の針が規則的に生えるのに対し、パイドの針の配色パターンは完全ランダム(不規則)であるため、全ての個体がオリジナルの配色パターンを持っています。

ハリネズミの飼い方と注意点

飼育に必要な飼育用品

ハリネズミの飼育に必要な道具(飼育用品)
  • ケージ
  • 床材
  • 回し車
  • 隠れ家
  • ヒーター
  • 温度計
  • 手袋

ケージ

ケージは、ハリネズミがある程度自由に動けるように底面積が60x45cm以上”の物を選びましょう。

ハリネズミを飼育することを考えられて作られたケージの殆どは上記で述べた条件(60cm以上)を満たしているため、ケージ選びに迷った時は”ハリネズミ用”と記載されたケージがオススメです。

ハリネズミの飼育に使われるケージは主に「シャトルケージ」「アクリルケージ」「ガラスケージ」「衣装ケース」「水槽」の五種類があります。

比較表アクリルケージガラスケージシャトルケージ衣装ケース水槽
見た目★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
値段★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
重さ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
保温性★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
耐久性★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コスパ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
複数匹のハリネズミ1つのケージで飼育してしまうとトラブルの原因になるため、ハリネズミを多頭飼いする場合は必ず一匹ごとにケージを1つ用意しましょう。

床材

床材が無くても飼育することは可能ですが、ハリネズミはトイレを覚えることができないため、床材を使用しないとハリネズミの体に排泄物が付着してしまい臭いも掃除も大変になります。

ハリネズミの飼育に使われる床材は主に「コーンリター」「広葉樹マット」「ペットシーツ」の三種類です。その他にも「ウッドチップ」や「新聞紙」等、床材には沢山の種類があります。

比較表コーンリター広葉樹マットウッドチップ新聞紙ペットシーツ
値段★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
吸水性★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
保温性★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コスパ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
針葉樹はハリネズミがアレルギーを持っているため絶対に使用しないでください。

回し車

回し車が必要な理由
  • 運動不足対策

ハリネズミは余り動いていない印象を受けますが、実は野生のハリネズミの運動量は非常に多く、平均して1日に3km以上、時には1日10km以上に渡って移動をすることもあります。

回し車は各メーカーから様々な大きさの物が販売されています。特に理由が無い限りはハリネズミの飼育に多く使用されている「メタルサイレント25」や「メタルサイレント32」がオススメです。

隠れ家

隠れ家が必要な理由
  • 寝床になる

隠れ家は様々な見た目の物が販売されているため好きな物を自由に選びましょう。隠れ家は中に隠れることができれば何でも良いため、段ボール等を使って隠れ家を自作しても問題ありません。

ヒーター

ヒーターが必要な理由
  • 寒さに弱い

ヒーターには、エアコンのように空間を温める「保温電球」やハリネズミを直接温める「パネルヒーター」等、複数の種類があるため、ハリネズミを飼育している環境によって使い分けましょう。

シャトルケージを使用している場合は保温性を上げるための毛布を用意しましょう。

温度計

温度計が必要な理由
  • 室温を確認する

温度計はハリネズミの健康や生命に直接干渉する物ではないため、無くても大きな問題はありませんが、温度計が無いと万が一ヒーターが故障してしまった際に気づくことができません。

以上の理由から、もしもの時のためにも温度計は用意しておいたほうが安心です。

手袋

手袋が必要な理由
  • 怪我防止

手袋はハリネズミを扱う時に必要になる場合があります。特に人間に慣れていないハリネズミは針を立てて素手では痛くて持つことができないこともありますので安全のために用意しましょう。

温度・室温管理

ハリネズミが快適な温度
  • 約25-27℃

ハリネズミは体温調節することが苦手な生き物です。室温が高すぎると「熱中症」や「夏眠」を引き起こし、室温が低すぎると「冬眠」をしてしまうため、常に室温を管理する必要があります。

室温が20℃を下回ったり、30℃を超えてしまうとハリネズミは体温を上手く調節することができずに夏眠や冬眠をしてしまいます。ハリネズミは本来夏眠や冬眠をする生き物ではないため、一度眠りについてしまうと再び目覚める可能性は低く、そのまま亡くなってしまうことも少なくありません。

ケージの設置場所

ケージ内をハリネズミが快適な室温に保つためにはケージの設置場所も大切です。

直射日光やエアコンの風が直接当たる位置は一日を通して室温の変化が激しいため、そのような場所にケージを設置するとハリネズミが体調を崩してしまう原因にもなってしまいますので、ケージは一日を通して室温が変化しずらい場所に設置するようにしてください。

エサは何をあげる?

ハリネズミは、ハリネズミのために作られたエサである「ハリネズミ専用フード」や「昆虫」をはじめ、犬や猫のエサである「ドッグフード」や「キャットフード」も食べることができます。

特に「昆虫」はハリネズミの大好物であるため”毎日のおやつ”として時々与える必要があります。

昆虫は鮮度の良い生きたコオロギやミルワームが最も適していますが、生きた昆虫を与えることに抵抗のある場合は冷凍された物や缶詰めになっている物の利用をオススメします。

ドッグフードやキャットフードは代用品

ハリネズミにとって最も理想的のエサは“ハリネズミ専用フード”ですが、ハリネズミは偏食が激しいため、ハリネズミ専用フードを食べないことがあります。

ドッグフードやキャットフードは、そういった時にハリネズミ専用フードの代用品として与えるようにするといいでしょう。

ケージの掃除

“ハリネズミは臭い”というイメージを抱かれている方が時にいらっしゃいますが、実際はハリネズミが臭いのではなく“ハリネズミの排泄物が臭い”という方が正しいです。

そのため、ケージ内の掃除は毎日行いたい所ですが、掃除のし過ぎはハリネズミにストレスが溜まってしまう原因になってしまうため、一週間に1回を目安にケージの掃除を行いましょう。

排泄物や尿の染み込んだ床材を取り除くだけならば毎日行っても問題ありません。

ハリネズミは懐きにくい

テレビやYoutube等でハリネズミが飼い主と仲良く遊んでいたり、撫でられるとリラックスしている様子が動画で紹介されていますが、ハリネズミは臆病な性格故に警戒心が強く懐きにくいです。

特にハリネズミがペットショップから家に来たばかりの頃は“飼い主のこと敵と認識”していることも少なくありません。そのような警戒心が強いハリネズミが人間を信頼するまでには長い時間がかかりますし、時間をかけたからといって必ずしもハリネズミが懐くとは限りません。

ハリネズミ飼育【まとめ】

全長20-30cm
寿命3-8年
値段15,000-40,000円
人気度★★★★
飼育難易度★★★★

ハリネズミは珍しい生き物としては比較的お手頃な値段で購入することができますが、値段が安いという金銭的な理由でハリネズミの飼育を考えている場合はあまりオススメできません。

ハリネズミは犬や猫よりも体が小さいため当然エサ代は少なくなりますが、冬にはヒーターも必要となりますし、怪我をしたり体調を崩してしまったら病院へ連れて行く必要がありますので、ハリネズミの飼育を考えている方は今一度最後まで飼育することができるのか考えてみてくださいね。

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