カワウソの飼い方と注意点|特徴・寿命・種類・値段【まとめ】

カワウソは動物園や水族館で大きな人気を博しており、テレビ等のメディアでも度々注目されていますが、自宅でカワウソを飼育するためには犬や猫を何匹も飼うよりもお金がかかります。

カワウソは生体代に何十万円、時には何百万円といった値段が付くこともあり、気楽に手を出せる金額では無いため、どうしてもカワウソを飼育したい場合は最後まで飼い切る覚悟が必要です。

この記事では、カワウソの特徴や寿命等、カワウソの飼育に関する情報をご紹介します。

カワウソってどんな動物?

カワウソの大きさ
50-200cm

特徴

カワウソは茶色の短い被毛と細く長いスリムな体、丸く小さい耳が特徴的です。

カワウソは主に水辺の近くで生活している動物であるため、体が水に濡れても乾きやすいように被毛が短く、水中を素早く移動できるように指と指の間の膜(水かき)が大きく発達しています。

カワウソは発達した水かきを上手に活用することで水中を自由自在に泳ぎ回り、水辺にいる水中生物(魚類や甲殻類)を器用に捕獲(捕食)しています。

性格

カワウソの性格
  • 頭が良い
  • 好奇心旺盛

カワウソは社会性が高くコミュニケーション能力に優れており、カワウソとの信頼関係を上手に築くことができれば、犬や猫と同じように甘えてきたりと人間によく懐きます。

しかし、カワウソの種類や個体によっては飼い主を困らせるヤンチャな子も一定数存在するため、キチンと躾けをしないと後々になって問題行動を起こすようになってしまいます。

カワウソは賢い個体が多く、自分でドアを開けたり飼い主に悪戯することもあります。

生息地

カワウソには全部で13種類が確認されており、世界各地の川や水辺に広く生息しています。

カワウソの一種である「ニホンカワウソ」は日本に生息していた唯一のカワウソでしたが、1979年以降に野生のニホンカワウソの絶滅が確認されたため、ニホンカワウソは今現在【絶滅種】として登録されていますが、2017年にはニホンカワウソと思われるカワウソが対馬で目撃されています。

対馬で目撃された二ホンカワウソは、人間に見つかることなく今まで生き残ってきたと考えることもできますが、ペットとして飼われていたカワウソが野生化した可能性も否めないでしょう。

二ホンカワウソ絶滅の真相は未だに闇の中であり、今でも研究が続けられています。

カワウソの寿命

カワウソの寿命
10-15年

カワウソの寿命は生息している環境によって大きな差が生まれます。

ペットとして飼われているカワウソの寿命は約10-15年と長く生きることができますが、野生に生息するカワウソの平均寿命は約8-10年と少し短くなる傾向にあります。

野生のカワウソは主に淡水の水中生物(魚類や甲殻類)をエサとしていますが、淡水の水中生物には寄生虫が大量に寄生しているため、それらを食べたカワウソにも寄生虫に寄生してしまいます。

淡水の寄生虫は海水の寄生虫と比べると特に危険性が高く、宿主に大きな影響を与えるような寄生虫も沢山いるため、寄生虫に寄生された野生のカワウソは寿命が短くなる傾向にあるのです。

カワウソに適した環境で飼育することによって、ペットとして飼われているカワウソの中には20年以上生きた個体も確認されています。

カワウソの値段

カワウソの値段
800,000-1,300,000円

カワウソの値段は販売しているペットショップによって大きな差があります。

日本に多く流通している「コツメカワウソ」は約80万円程で購入することができますが、その他の種類のカワウソに関しては日本では殆ど流通していないため、希少性が高く入手することは困難です。

値段が高い理由

カワウソは日本に生息していないため海外から輸入する必要がありますが、カワウソはワシントン条約(附属書II)に登録されているため、研究等の明確な理由がない限り輸入は制限されています。

そのため、海外からカワウソをペットとして日本に輸入することは不可能なのですが、特別に許可を得て輸入されたカワウソから生まれた子供は、ワシントン条約の規制外になっています。

つまり、カワウソは日本国内で繁殖させた個体のみ販売することが許されているということですが、カワウソは簡単に繁殖させる方法が見つかっていないため、必然的に値段も高くなっています。

カワウソの種類

コツメカワウソ

二ホンカワウソ

オナガカワウソ

カナダカワウソ

ザイールツメナシカワウソ

ツメナシカワウソ

スマトラカワウソ

チリカワウソ

ノドブチカワウソ

ビロードカワウソ

ミナミウミカワウソ

ユーラシアカワウソ

オオカワウソ

カワウソの飼い方と注意点

飼育に必要な飼育用品

カワウソの飼育に必要な道具(飼育用品)
  • ケージ
  • トイレ
  • リード

ケージ

ケージが必要な理由
  • お留守番の際に必要

カワウソがケージの中に入るのは主に飼い主が外出中の間だけですが、狭いケージだとカワウソにストレスが溜まってしまうため、中型犬や大型犬用の大きなケージを用意してあげましょう。

トイレ

トイレが必要な理由
  • トイレを覚えられる

一般的なペットショップにカワウソ用のトイレとトイレ砂は販売されていないため、猫用のトイレとトイレ砂を代用品として使いましょう(ペットシーツでも代用可)。

リード

リードが必要な理由
  • 散歩に連れて行く際に必要

カワウソは首と顔の太さが殆ど同じであるため、首輪に装着するタイプのリードは機能しませんので、必ず足から胴体に通して装着するタイプのリードを選んでください。

エサは何をあげる?

カワウソの主食にはカワウソに必要な栄養素を効率よく摂取することができる「キャットフード」や「フェレットフード」を主食として与え、魚類等の「生エサ」は副食として与えましょう。

生エサは淡水魚ではなく、必ず海水魚を48時間以上冷凍してから解凍した物を使用してください。

魚類を冷凍するのは寄生虫を殺菌するために必ず必要な工程です。カワウソは淡水に生息する魚類や甲殻類(ザリガニ等)も食べますが、淡水の生物には危険な寄生虫が多いため絶対にやめましょう。

寄生虫に注意

魚類や甲殻類には「アニキサス」等の有名な寄生虫をはじめ、カワウソの健康に悪影響を与える寄生虫が付着していることがあるため、人間用に販売されている物でもキチンとチェックしましょう。

基本的には刺身用にサク取りされている商品に寄生虫が付着していることは殆どありませんが、アジやサバ等の魚を丸ごと内臓付きで販売している物には寄生虫が混入している可能性が高いです。

内臓は除去する

寄生虫の大半は内臓部分に寄生していることが多いため、内臓は必ず除去するようにしてください。

特にサバは何かしらの寄生虫に寄生されている確率が99%以上であるため、48時間以上冷凍し寄生虫を殺菌処理する場合でも与えない方が賢明です(家庭用冷蔵庫では死滅しない寄生虫もいます)。

寄生虫は内臓だけでなく、身の部分に寄生虫が移動している場合もあります。

一日に必要なエサの量

カワウソが一日に必要なエサの量は、カワウソの体重の約10-15%を目安にしてください。

ペットして飼われているカワウソは運動量が少ない傾向にあるため、与えるエサの量をキチン管理しないと肥満になってしまう可能性が高いです。

特にカワウソは他の動物と比べて歳を取るに伴って様々な病気を発症しやすいため、毎日の食事量を管理し健康的な体形を保つことが何よりも病気の予防として大切になります。

臭腺の除去・対策

カワウソには「臭腺」という分泌液を分泌する器官があります。臭腺から分泌される分泌液は強烈な悪臭を放つため、カワウソを飼うには臭腺に対して何かしらの対策をする必要があります。

臭腺から分泌される分泌液の臭いは、毎日お風呂(水浴び)に入れることによって悪臭を軽減することができますが、カワウソに臭腺がある以上完全に無臭にすることはできません。

そのため、ペットとしてカワウソを飼育するには臭腺を除去する手術を受ける必要があります。臭腺の除去手術は動物病院で行うことができますが、病院によっては受け付けていない場合もあります。

毎日水浴びさせる

野生に生息するカワウソは一日の大半を水辺や水中で過ごしており、他の動物と比べると水との関わりが非常に深いため、カワウソが毎日自由に水浴びできる環境を用意してあげましょう。

水浴び場はプールのような環境が理想的ですが、お風呂の浴槽でも十分代用することができます。

カワウソは一日水浴びできないだけでもストレスを感じてしまうため、大きな怪我や病気をしていない限り、必ず毎日水浴びさせるようにしてください。

躾けは絶対に必要

カワウソが頭が良いため、自分が起こした行動によって何が起きたか理解する事ができるため、カワウソが何かしらの方法(甘噛み等)で何かを要求した時に飼い主が応じるとそれを覚えます。

カワウソが「〇〇をすれば飼い主が自分の要求を聞いてくれる」と覚えてしまうと、カワウソに付いた癖(噛み癖や鳴き癖)や悪戯を治すことが難しくなってしまいます。

そのため、カワウソには悪いことを覚えさせないように躾けすることが何よりも大切になります。

カワウソは繰り返し躾けることでトイレの場所も覚えることができます。

信頼関係を築こう

カワウソは社会性が高く仲間意識が強い動物であるため、カワウソは多頭飼いが理想となります。

しかし、資金等の理由で多頭飼いすることができない場合はカワウソの仲間の代わりに飼い主が遊び相手になってコミュニケーションを取ってあげる必要があります。

カワウソの性格は個体によって様々ですが、寂しがり屋で甘えん坊な個体が多い傾向にあるため、一緒にお風呂に入ったり、オモチャで沢山遊んであげてカワウソとの信頼関係を築きましょう。

カワウソ飼育【まとめ】

全長50-200cm
寿命10-15年
値段800,000-1.300.000円
人気度★★★★★
飼育難易度★★★★

カワウソをペットとしてはマイナーな動物であり、飼育や病気に関する情報も非常に少ないため、自宅で飼っているカワウソの種類に最も適した環境を少しずつ探していく必要があります。

また、犬や猫等のメジャーな動物なら全ての動物病院で診察してもらえますが、カワウソの診察を受け付けていない動物病院もあるため、事前に診察可能な動物病院を把握することもお忘れなく。

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