フクロモモンガは、可愛らしい外見からテレビ等のメディアに露出する機会も多い動物です。
往年のフクロモモンガは決して有名な動物という訳ではありませんでしたが、近年ではフクロモモンガをペットとして飼育する人の数が増えてきており、それに伴い人気も急激に上昇してます。
この記事では、フクロモモンガの特徴や寿命等、フクロモモンガに関する情報をご紹介します。
フクロモモンガってどんな動物?
フクロモモンガの大きさ |
---|
18-21cm |
特徴
フクロモモンガは“小さな体に大きな目、頭部から背中にかけて入った黒い線模様”が特徴的です。
フクロモモンガには伸縮性のあるヒダ(飛膜)が前足と後ろ足を繋ぐように備わっており、この飛膜を上手に利用することで滑空する(空を飛ぶ)こともできます。
フクロモモンガの滑空は風の力を利用して行うため、鳥のように地面から空へ飛び立つことはできませんが、木から木に滑空する時には50m以上、時には150m以上も滑空します。
性格
- 臆病・神経質
- 縄張り意識が強い
フクロモモンガは“臆病な性格故に警戒心が強い”個体が多い傾向にありますが、フクロモモンガが子供の頃から親の代わりとなって大切に育てることで人間に懐かせることもできます。
また、フクロモモンガは縄張り意識が強い傾向にあると同時に一夫多妻で行動しているため、同じ縄張りに複数のオスが存在すると縄張り争いの喧嘩が始まってしまいます。
そのため、オスのフクロモモンガを多頭飼いする場合は必ずケージを分ける必要があります。
臭腺
フクロモモンガが臭い原因の一つとして「臭腺」という器官が備わっていることが挙げれます。
臭腺とは自分の匂いの付いた分泌液を分泌する器官であり、主に大人のフクロモモンガが自分の縄張りを誇示する(マーキング)ために使っています。
マーキングはオス個体だけが行うため、臭いが気になるという場合はメス個体を購入しましょう。
フクロモモンガの寿命
フクロモモンガの寿命 |
---|
7-10年 |
フクロモモンガの平均寿命は約7-10年と小型哺乳類としては比較的長い寿命を持っており、フクロモモンガに適した環境で飼育することで中には15年以上生きた個体も確認されています。
フクロモモンガはビタミンやカルシウムが不足することに伴って発症する「クル病」に罹りやすい動物であるため、長生きしてもらうためには食事メニューや生活リズムの管理が大切になります。
フクロモモンガの値段
フクロモモンガの値段 |
---|
10,000-300,000円 |
フクロモモンガの値段は購入するショップや種類によって大きな違いがあります。
フクロモモンガの原種である「ノーマル」は約1-3万円と比較的安価で購入することができますが、流通量の少ない「クリミノ」や「アルビノ」は約10-30万円と原種の数十倍の値段になります。
また、同じ種類のフクロモモンガであっても入る模様や毛色の濃さによって値段に差があります。
フクロモモンガの種類
ノーマル
- 頭部と背中に入った黒い線模様
- 灰色の毛色と白色の腹部
ノーマルはフクロモモンガの原種に最も近い品種です。
ノーマルが持つ薄茶色の毛色は個体によって差があります。茶色に近い毛色を持った個体から灰色に近い毛色を持った個体まで、毛色には個性があります。
別名「スタンダード」や「クラシック」ともいいます。
モザイク
- 不規則に入った白色の毛色
モザイクは“腹部を除く身体の一部に白色の毛色が入っている”品種のことをいいます。
フクロモモンガの腹部以外の毛色が一部分でも白くなっていたら、その個体はモザイクとして分類されるため、カラーバリエーションが豊富で各々が個性的な配色パターンを持っています。
また、モザイクは尻尾の毛色によって「リングテール」「ホワイトテール」と名称が変わります。
プラチナ
- 銀白の毛色
プラチナの持つ銀白の毛色は個体によって差があります。ノーマルに近い灰色の毛色をした個体から下記で紹介するリューシに近い白色な毛色をした個体まで、毛色には個性があります。
リューシ
- 白色の毛色
リューシが持つ白色の毛色は個体によって差があります。少し黄色みを帯びたクリミノ(後に紹介)に近い毛色をした個体から真っ白な毛色を持った個体まで、毛色には個性があります。
クリミノ
- シナモン色の毛色
- 赤みがかった眼球
クリミノは、メラニン色素の量が極端に少ないことから毛色がクリーム色になっています。メラニン色素の量は眼球の色にも影響するため、クリミノの眼球は若干赤みを帯びています。
クリミノの持つ銀白の毛色は個体によって差があります。薄茶色に近い毛色をした個体からリューシのように白色に近い毛色をした個体まで、毛色には個性があります。
アルビノ
- 白色の毛色
- 赤色の眼球
アルビノはクリミノよりも更に色素が薄いため、眼球は真っ赤な色をしています。
生まれて間もないアルビノはクリミノのようなシナモン色の毛色をしていますが、歳をとるに伴ってメラニン色素の量が更に減っていくため、徐々に毛色が白くなっていきます。
フクロモモンガの飼い方と注意点
飼育に必要な飼育用品
- 専用ケージ
- 巣箱
- 床材
- エサ入れ
- 給水ボトル
- ヒーター
専用ケージ
フクロモモンガを飼育するには“フクロモモンガ専用のケージ”が必要となります。
フクロモモンガ専用ケージはフクロモモンガの飼育を前提に作られたケージであり、運動量の多いフクロモモンガがケージ内を自由に動き回れるようにゆとりのある設計になっています。
その他ケージでも代用することはできますが、その他のケージにはフクロモモンガの足場となる高い場所が少ないため、スパイラルパーチ(止まり木)や足場となる物を設置する必要があります。
巣箱
- 巣の中で眠る習性がある
巣箱の見た目は飼い主の好みに応じて選んでもらっても構いませんが、気温が低下する冬はポーチ等の断熱性に優れた物を巣箱として使うことで、フクロモモンガが快適に過ごせる環境になります。
ヒーター
- 寒さが苦手
ヒーターには、エアコンのように空間を温める「保温電球」やフクロモモンガを直接温める「パネルヒーター」等、種類が複数あるためフクロモモンガを飼育している環境によって使い分けましょう。
温度・室温管理
- 約23-28℃
フクロモモンガは温暖な地域に生息しているため、季節によってはエアコンとヒーターを使ってフクロモモンガが快適に過ごせる室温(約23-28℃)を保つ必要があります。
フクロモモンガと同じ小型哺乳類である「ハムスター」や「シマリス」は、気温が極端に低下すると冬眠をすることで寒さから身を守りますが、フクロモモンガは冬眠をすることができません。
そのため、特に気温が下がりやすい冬場は室温の管理を怠らないようにしましょう。
毎日の日光浴
フクロモモンガは日光浴をすることによって、体内でビタミンDを作ることができます。
ビタミンDにはカルシウムの吸収を手助けする効果があるため、毎日フクロモモンガに日光浴をさせることでカルシウム不足が原因となる「クル病」等の病気を予防する効果があるのです。
睡眠を妨害しないように
フクロモモンガは夜行性の動物であるため、基本的には朝に眠り夕方から夜にかけて活動します。
遊びたいからといって睡眠を妨害してしまうとフクロモモンガは、大きなストレスを感じてしまうので、眠っているフクロモモンガを無理やり起こすといったことはしないようにしてください。
フクロモモンガと触れ合う(遊ぶ)時間帯としては夕方や夜が適切ですが、フクロモモンガの中には夜に行動せず日中に行動するような個体もいます。
このような個体と遊ぶ時間帯は日中がベストです。フクロモモンガと遊ぶ時間を時間帯で決めるのではなく、フクロモモンガが起きている時間に合わせて決めてあげるようにしましょう。
フクロモモンガ飼育【まとめ】
全長 | 18-21cm |
---|---|
寿命 | 7-10年 |
値段 | 10,000-300,000円 |
人気度 | ★★★★★ |
飼育難易度 | ★★★★★ |
フクロモモンガはペットとしてメジャーな犬や猫と比べると珍しい部類に入りますが、飼育難易度は決して高い訳ではなく、室温の管理さえできるのならば誰でも簡単に飼育することができます。
しかし、フクロモモンガは臆病な性格故に警戒心が強い個体が多い傾向にあるため、人間に懐かせるには時間をかけて信頼関係も築いていくことが何よりも大切な事となります。