チンチラの主食(エサ)に最も適切な食べ物が「牧草(チモシー)」である理由をご存知でしょうか。
「チンチラは草食性の動物だから」という単純な理由ではありません。チンチラは繊維質で硬い牧草を歯で磨り潰すように食べることで歯を適度に擦り減らし、健康的な歯の長さを保っているのです。
この記事では、チンチラの主食や副食に適切な食べ物や理想的な食事量について解説していきます。
チンチラの主食(エサ)は牧草とペレット
牧草
チンチラの主食に適切なエサである牧草は「イネ科」と「マメ科」に分類されています。大半のペットショップで販売されている「チモシー」はイネ科の牧草「アルファルファ」はマメ科の牧草です。
イネ科の牧草とマメ科の牧草の違いは見た目だけではありません。牧草内に含まれている食物繊維やタンパク質・カルシウム等の栄養素の量も全く違います(同じ科でも収穫時期によって差がある)。
チモシーの特徴
食物繊維 | タンパク質 | カルシウム |
---|---|---|
多い | 少ない | 少ない |
イネ科の牧草であるチモシーは食物繊維が豊富に含まれており低カロリーで消化器(胃や腸)に優しい性質を持ってます。主に消化不良等の消化器疾患を発症しやすい大人のチンチラに適切な牧草です。
イネ科の牧草にはチモシーの他にも「イタリアンライグラス・オーチャードグラス」等があります。
アルファルファの特徴
食物繊維 | タンパク質 | カルシウム |
---|---|---|
普通 | 多い | 多い |
マメ科の牧草であるアルファルファはチモシーと比べると食物繊維が少ないですが、チモシーよりも高カロリーで栄養素が豊富に含まれています。主に成長期の子供のチンチラに適切な牧草です。
マメ科の牧草にはアルファルファの他にも「クローバー・ベッチ・レンゲ」等があります。
チンチラに適切な牧草はアルファルファ?チモシー?
チンチラに適切な牧草はチンチラの年齢によって異なります。一般的には子供のチンチラには「アルファルファ」を与えて、大人や高齢のチンチラには「チモシー」を与えると良いとされています。
そのため、チンチラの成長に合わせて牧草の種類を切り替えていくのが理想ですが、チンチラのチモシーよりもアルファルファを好む個体が多いため、牧草を切り替える際は苦労するかもしれません。
ペレット
ペレット(専用フード)はチンチラの健康を保つために作られた牧草が主成分の配合飼料であるため、ペレットを与えていれば牧草を与えなくても必要な栄養素を効率よく摂取することができます。
しかし、ペレットは固形状に整形されているという唯一のデメリットがあります。ペレットの唯一のデメリットとは“チンチラがペレットを食べる際に使っている主な歯は前歯である”ということです。
チンチラは繊維質な硬い牧草を食べる(咀嚼する)ことで歯を削り歯の長さを適度に保っているため、牧草を与えずにペレットのみを与えていると奥歯だけが削られずに伸び続けてしまいます。
以上の理由から主食は牧草の方が適切です(ペレットは足りない栄養素を補う形で与えると良い)。
チンチラの副食(おやつ)は何を与える?
野菜/果物
チンチラは「ニンジンやカボチャ」等の野菜や「リンゴやバナナ」等の果物が大好物ですが、チンチラは消化器疾患に罹りやすいため、野菜や果物を与える際は水分を拭き取って乾燥させてください。
また、野菜や果物は必ず副食(おやつ)として与えなくてはいけません。牧草よりも美味しいと感じる野菜や果物を主食に与えてしまうとチンチラは牧草という食べ物に興味を示さなくなります。
牧草を食べる回数が減ると歯が削れる機会が減り「不正咬合」を発症する可能性が高くなります。
ラクトバイト
ラクトバイトは乳酸菌や必須脂肪酸・ビタミン類等の栄養素が豊富に含まれている栄養補助食品です
チンチラは他の動物よりも消化器疾患(消化不良や下痢)になりやすい傾向にあるため、胃腸の調子を整える効果のある乳酸菌が配合されているラクトバイトは必需品といっても過言ではありません。
理想的な食事量とエサを与える頻度
チンチラ(大人)が1日に必要とする食事は「牧草1カップ/ペレット25~30㌘/副食(野菜等)3㌘」です。
牧草はチンチラが好きな時に食べれるようにケージ内に常備しておいても問題ありませんが、ペレットや野菜/果物等の副食は過剰摂取を避けるために基準量を毎日飼い主さんが入れてあげてください。
チンチラに適切な主食/副食/おやつ【まとめ】
チンチラに健康的で長生きしてもらうためには主食に「牧草(チモシー)」と「ペレット(専用フード)」を組み合わせて与えることが大切になります(牧草8~9割/ペレット1~2割の割合が理想)。
また、チンチラは他の動物よりも消化器系(胃腸)が弱い傾向にあるため、消化器系に負担のかかる炭水化物や水分の多い「野菜や果物等の副食(おやつ)」を過剰摂取させないように気を付けましょう。