イタチのような見た目の「フェレット」という動物をご存知でしょうか?
フェレットは愛くるしい見た目から非常に人気がある動物であり、ペットショップでも比較的安価で販売されていますが、フェレットの中には家畜化が進んでいない品種も存在します。
この記事では、フェレットの寿命や種類等、フェレットの飼育に関する情報をご紹介します。
フェレットってどんな動物?
フェレットの大きさ |
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35-50cm |
特徴
フェレットはイタチのような”細長い体”と”小さな丸い耳”が特徴的です。
フェレットは見た目の特徴からわかる通り、野生のイタチ(ヨーロッパケナガイタチ)を家畜化した品種であり、放屁が臭いことで有名な「スカンク」に近しい血を持つ動物でもあるのです。
しかし、日本で販売されているフェレットは悪臭の原因である臭腺が除去されているため、フェレットから鼻をつまむような臭いがすることはありませんが、動物特有の匂いは当然あります。
性格
フェレットの性格は品種やファームによって大きな差がありますが、全体的にフェレットは好奇心旺盛で人懐っこい個体が多い傾向にあり、キチンと躾けることでトイレも覚えることもできます。
そのため、犬や猫と同じように遊んでコミュニケーションを取り仲良くなることも可能です。
フェレットの寿命
フェレットの寿命 |
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6-8年 |
フェレットの寿命は同じ中型哺乳類である犬や猫と比べると少し短命ですが、適した環境で飼育することで10年、中には15年近く生きた長寿な個体も存在します。
フェレットに短命が多い原因としては、”身体が弱く病気に罹りやすい”ということが挙げられます。
中でも内臓系の疾患(癌等)を抱えている個体は特に多く、フェレットが4歳になるまでに約3割の個体が癌を発症するとされています(フェレットは4歳からがシニア期に入ります)。
病気は食事のバランスや運動量に気を付けることによってある程度予防することは出来ますが、完全に病気を予防する方法は確立されていないため、寿命はその個体が持つ生命力に依存します。
フェレットの値段
フェレットの値段 |
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20,000-200,000円 |
フェレットの値段は種類とカラーの入り方によって決定されるため、値段の差が激しいです。
最もメジャーなカラーである「セーブル」や「シナモン」は比較的安価で購入することが出来ますが、流通力が少ない「ホワイトファーブラックアイ」は最低でも10万円から特に高価になります。
フェレットの種類
フェレットの種類は「ファーム(繁殖場)」と「カラーバリエーション」によって分類されています。
フェレットの特徴(性格や体格)はファームによって大きく異なるため、ここではファームの種類を紹介していきます。カラーバリエーションが知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。
アンゴラ(ファーファーム)フェレット
アンゴラフェレットは迫力のある骨太な体と太く長い被毛が特徴的です。
アンゴラフェレットは他のフェレットには無い長い被毛を持っていることから根強い人気がありますが、他のフェレットと比べると気性が荒く攻撃的な個体が多い傾向にあります。
また、アンゴラフェレットは被毛の長さによって「アンゴラフェレットショート」「アンゴラフェレットセミロング」「アンゴラフェレットロング」と名称が変わります。
カナディアンフェレット
カナディアンフェレットは、他のフェレットと比べて身体が大きく少し筋肉質です。
カナディアンフェレットはメスよりもオスの方が大きくなるため、大きなフェレットを飼いたい方にはオス個体をオススメしますが、ヤンチャな性格の個体が多いので少し注意が必要になります。
ニュージーランド(サウスアイランド)フェレット
ニュージーランドフェレットは、丸い顔と目の周りに現れるパンダのような模様が特徴的です。
ニュージーランドフェレットはフェレットの原種に最も近い品種であるため、他の品種のフェレットよりも噛む力が強く大型に成長する個体が多い傾向にあります。
パスバレーフェレット
パスバレーフェレットは日本で最も多く流通している品種であり、噛み癖が付きにくく温厚な性格の個体が多い傾向にあるため、初心者の方にも飼いやすく非常に人気があります。
カラーバリエーションが豊富であることも人気である要因になっています。カラーバリエーションは「バタースコッチ」「マークドホワイト」「パンダカラー」等、他にも沢山種類があります。
フェレットの飼い方と注意点
温度・室温管理
フェレットは体温調節が苦手な動物であり、暑さと寒さ両方に耐性が全くありません。本来哺乳類は汗をかいて体温を調節しますが、フェレットには汗をかくための器官「汗腺」がないのです。
そのため、気温の変化が激しい季節は(主に夏場と冬場)24時間エアコンやヒーターを必ず使ってフェレットが快適に過ごせる室温とされている15-25℃に保つ必要があります。
トイレの躾け
フェレットは犬や猫と同様にトイレを覚えることができるため、キチンと躾けてあげましょう。
トイレの躾けで最も大切なことは「トイレの場所を間違えた時にすぐに怒ること」です。
フェレットが間違った場所で排泄をしてから1時間後に怒ってもフェレットは何が原因で怒られてしまったのか理解することができませんので、必ずトイレを失敗した直後に怒ってください。
噛み癖の躾け
フェレットは噛み癖が付きやすいため、キチンと躾けをしないと所かまわず噛みつくようになってしまいます。フェレットの噛み癖を知らずに購入し後々トラブルになることも少なくありません。
噛み癖はキチンと躾けることで完全に治る場合もありますが、家畜化があまり進んでいない気性の荒いフェレットの噛み癖を完全に躾けることは難しいため、ある程度は許容する必要があります。
防臭・消臭対策
フェレットは臭いというイメージを持っている方が多いと思いますが、ペットとして販売されているフェレットは悪臭の元である臭腺除去手術を受けているので、犬や猫と殆ど変わりません。
しかし、フェレットを長期間お風呂に入れていないと悪臭の原因となってしまうため、最低でも2週間から1ヶ月に1回の頻度でお風呂に入れて清潔を保ってあげてください。
フェレット飼育【まとめ】
フェレットは人間に懐きやすく飼育しやすい動物ですが、短命で病気に罹りやすい動物でもあるため、キチンと健康状態を管理し天命を全う出来るように大切に育ててあげてくださいね。
また、フェレットには定期的にワクチン接種をさせてあげる必要があり、飼育にはそれなりの飼育費用が掛かりますので、飼育に挑戦する際はキチンと計画を立ててから行うようにしましょう。