タワシのような短い被毛が特徴的な「リスザル」という猿をご存知でしょうか。
リスザルは小型で頭が良く、人懐っこい性格をしていることから猿の中でも人気が高く、日本でも比較的多く流通しているため、初めてペットとして買う猿はリスザルにするという方も多いです。
この記事では、リスザルの寿命や値段等、リスザルの飼育に関する情報をご紹介します。
リスザルってどんな動物?
リスザルの大きさ |
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30-35cm |
特徴
リスザルはリスのように小さく、毛色がリスに似通っていることからリスザルと名付けられました。食性は我々人間と同じ雑食性であり、野生では主に「昆虫」や「木の実」を食べて生活しています。
また、リスザルは集団で行動することを好み、時には100頭以上の群れを作りだすこともあります。
性格
リスザルの性格は個体によって差がありますが、全体的に好奇心旺盛な個体が多い傾向にあります。
好奇心旺盛ということは人懐っこいということでもありますが、いたずらっ子な個体も多いのでキチンと躾けをしなければ様々なトラブル(問題)を引き起こしてしまう可能性が非常に高いです。
リスザルの寿命
リスザルの寿命 |
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15-20年 |
リスザルの寿命は野生に生息している個体と飼育されている個体でかなりの差があります。
飼育下のリスザルの寿命は約15-20年、時には30年近く生きることもある長寿な動物ですが、自然下のリスザルには天敵となる動物が多く存在するため、飼育下と比べると寿命はかなり短くなります。
リスザルの値段
リスザルの値段 |
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400,000-1,000,000円 |
リスザルの値段はリスザルの性別や年齢によって大きく異なります。
ペットとして人気のあるリスザルの性別はオス個体となりますが、メス個体はブリーダーがリスザルを繁殖させる際には多く必要となるため、オス個体よりも値段が高くなる傾向にあります。
値段が高い理由
リスザルの値段が高い理由としては”輸入制限が掛けられている”ということが挙げられます。
海外に生息するリスザルは、本来日本には存在しない「エボラ出血熱」や「マールブルグ病」等の病原体を持っている可能性があるため、法律によってリスザルの全面輸入禁止が決められています。
故に日本で流通しているリスザルは全て国内でブリード(繁殖)された個体であり、流通量に限りがあるため価格が高騰しやすいのです。時には何百万円といった価格で販売されることもあります。
リスザルの種類
コモンリスザル
- 黄色味を帯びたオリーブ色の毛色
- 黄色と橙色が混ざったような毛色の腕
コモンリスザルは“黄色味を帯びたオリーブ色の短い被毛と黒色の口回り”が特徴的です。
コモンリスザルは日本で最も流通している品種であり、一般的に「リスザル」という名称はコモンリスザルのことを指している場合が殆どです。その他の品種に関してはフルネームで呼ばれています。
ボスビアリスザル
- 黒色の頭部
- 濃黄色と黄褐色の毛色
ボスビアリスザルはコモンリスザルと似通った特徴を持っていますが、コモンリスザルよりも全体的に黄色味が強く発色しており、頭部の毛色は黒色に染まっています。
日本で流通しているリスザルは主にボスビアリスザルとコモンリスザルの二品種です。しかし、ボスビアリスザルはコモンリスザルよりも個体数が少ないため、値段が少し高くなる傾向にあります。
リスザルの飼い方と注意点
エサは何を与える?
リスザルの主食には「モンキーフード」という猿専用の人工飼料を与え、副食には「リンゴ」や「バナナ」等の果物や野菜を与えましょう。「コオロギ」や「ミルワーム」等の昆虫もオススメです。
リスザルは人間と同じ雑食性であるため、火を通した牛肉や豚肉、鶏肉等も食べますが、人間用に加工(味付け)された食品は絶対に与えないようにしてください。体調不良の原因になります。
与えるエサの量
リスザルに与えるエサの量は自分の体重の約5-8%程が理想とされています。特にリスザルは他の動物よりも脂肪が付きやすい体質をしているため、エサを与えすぎると直ぐに肥満になってしまいます。
温度・室温管理
- 約25-30℃
リスザルは熱帯森林に生息する動物であるため、暑さには強いですが寒さには耐性がありません。
暖房器具を使用せずに飼育を続けているとリスザルが体調を崩してしまう原因になってしまうため、必ずエアコンやヒーターを使用して室温を一定(約25-30℃)に保ちましょう。
防臭・消臭対策
リスザルは人間と同じ雑食性であるため、排泄物の臭いが強いです。掃除をサボっていると直ぐにケージから悪臭が発生するようになってしまいますので、ケージは毎日掃除するようにしてください。
消臭力等の消臭剤は必須、資金的に余裕がある場合は脱臭機の購入を検討したほうが良いでしょう。
トイレの躾けは不可能
リスザルは樹上性のサルであるため、犬や猫のようにトイレの躾けをすることはできません。
中には特定の場所で排泄をする例外な個体もいますが、芸を覚えたサルで有名な「日光さる軍団」でさえオムツを付けているということからプロが躾けても覚えさせることは難しいとわかるでしょう。
定期的に部屋で運動させる
運動不足は肥満や病気の原因のみならず、リスザルがストレスを感じる原因にもなってしまいます。
リスザルを大きなケージで飼育している場合は特別運動させる必要はありませんが、小さめのケージで飼育している場合は運動不足を防止するために定期的に部屋の中で運動させてください。
悪戯に気をつける
リスザルは知能が高い故に好奇心旺盛で様々なことを学ぼうとします。時には人間と遊んでコミュニケーションを取り合ったり微笑ましい姿を見せますが、飼い主が目を離すと悪戯を始めることも。
リスサルの歯は鋭いので電源コードを噛んで感電することもありますし、小物を片付けずに放置していると誤飲してしまうこともあるため、危険が及ぶ可能性がある物は事前に片づけておきましょう。
定期的に日光浴を行う
リスザルはカルシウム不足に伴い発生する病気である「クル病」に罹りやすい傾向にあります。
クル病を予防するためにはカルシウムを食事によって摂取させることも大切ですが、定期的に日光浴をさせるということを最も重要視しなければいけません。
日光浴でビタミンDを生成
リスザルは紫外線(日光)を浴びることによって体内で”ビタミンD”を生成することができます。
ビタミンDには食事で摂取したカルシウムを体内に吸収しやすくなる効果があるため、定期的に日光浴を行うことでカルシウム不足に伴い発症する様々な病気を予防してくれるのです。
日光浴の頻度
リスザルに日光浴をさせる頻度は毎日が理想ですが、不可能な場合は2-3日に1回行いましょう。
住まいの構造の関係上日光浴をさせることができない場合は紫外線ライトを用意してください。紫外線ライトには日光と同じ紫外線を放射する機能が付いているため、日光の代用品として最適です。
コミュニケーションを取ろう
リスザルは飼い主とコミュニケーションを取りたがる人懐っこい個体が多い傾向にあります。沢山触れ合うことで良好な信頼関係を築くことができ、更に懐いて甘えてくれるようになります。
また、リスザル知能も高いので簡単な芸なら繰り返し訓練することで覚えさせることも可能です。
リスザル飼育【まとめ】
リスザルは犬や猫等のメジャーな動物と違って飼育者の数が少ないということもあり、飼育に関する情報も少ないです。動物病院の中にはリスザルの診察を受け付けていない場合もあります。
もしもの時に「リスザルを診察できる動物病院がなかった」では済まされませんので、リスザルの飼育を考えている方は、お近くの動物病院がリスザルを診察可能か調べておくようにしてくださいね。