ディスカスは「熱帯魚の王様」としてテレビや雑誌で特集されたりと、アクアリウムを趣味としていない人でも知ってるほど知名度が高い熱帯魚です。
この記事では、ディスカスの飼い方|値段・種類・寿命・混泳・飼育に必要な飼育用品から水槽の立ち上げ方まで、ディスカスに関する情報をご紹介します。
ディスカスってどんな魚?
ディスカスの大きさ |
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12-20cm |
特徴
ディスカスは体高がとても高く、色鮮やかな体色と体に入った模様が特徴的です。
ディスカスは個体ごとに異なった体色と模様を持っており、カラー(模様)バリエーションの多さこそがディスカスが人気である要因の一つになっています。
名前の由来
ディスカスは体がディスク(円盤)のような形に見えることから、ディスカスという名前が付けられたといわれています。
ディスカスの寿命は?
ディスカスの寿命 |
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5-10年 |
ディスカスの寿命は約5-10年です。
ディスカスの寿命は7-8年以下で亡くなってしまう個体が多い傾向にありますが、ディスカスに適した環境で飼育することで10年以上生きる場合もあります。
ディスカスの値段は?
ディスカスの値段 |
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500-100,000円 |
ディスカスの値段は約500-100,000円で購入することができます。
ディスカスの値段は種類や個体によって大きく異なります。ディスカスの品評会で賞を受賞した個体やその子供(稚魚)などの美しいとされる個体はより高額な値段で販売されます。
ディスカスの種類は?
アクアリストに人気があるディスカスはブリーダーや愛好家により品種改良が行われており、各地でディスカスコンテスト(品評会)が開催されることもあります。
ディスカスの種類を厳密に分類すると数え切れないほどの数が存在しますが、ディスカスの種類を大きく分けると以下の四種類に分類することができます。
- グリーン系
- ブルー系
- ヘッケルブルー系
- ブラウン系
上記の種類はディスカスの原種とされており、ここから更に種類が細分化されていきます。
グリーン系
ブルー系
ヘッケルブルー系
ブラウン系
ディスカスの飼い方と注意点は?
ディスカスの飼育に必要な道具(飼育用品)
- 水槽
- フィルター(濾過器)
- ライト
- ヒーター
- カルキ抜き
- 餌(エサ)
飼育に必要な水槽の大きさ
ディスカスを単独飼育する場合は60cm規格水槽で終生飼育をすることが可能ですが、複数のディスカスを飼育・繁殖させたい場合は60cmワイド水槽や90cm規格水槽が必要です。
水槽の大きさと、飼育できるディスカスの個体数は以下を参考にしてください。
- 60cm規格水槽(60×30×36)の場合は、成魚1-2匹
- 60cmワイド水槽(60×45×45)場合は、成魚3-4匹
- 90cm規格水槽(90×45×45)の場合は、成魚8-10匹
フィルター(濾過器)
ディスカスを単独飼育する場合は「上部式フィルター」を使用し、複数飼育や混泳を考えている場合は濾過能力が高い「外部式フィルター」や「オーバーフロー式」を使用しましょう。
ディスカスはエサの関係もあって飼育水をとても汚してしまいやすく、濾過能力が低いフィルターを使っていると濾過不足になってしまいますので濾過能力が高いフィルターを使用してください。
底砂と水草は使っていい?
ディスカスはエサの関係もあって飼育水をとても汚しやすいので、ディスカスを飼育するアクアリストの多くは底砂や水草を一切しない「ベアタンク」で飼育をしています。
底砂や水草はバクテリアの住処となり、水質を安定させることにも繋がるので使用しても問題はありませんが、底砂の隙間に排泄物や食べ残しが挟まるので掃除に手間が掛かります。
底砂をどうしても使いたい場合は「ガーネットサンド」などの砂粒が細かい物を選び、底砂は入れすぎないように薄く敷いて使用するようにしましょう。
水温・水質管理
ディスカスに適した水質
- 水温 27-30℃
- PH 6.5-7.5
水質はディスカスに適した水温27-30℃、PH6.5-7.5を保ちましょう。
野生のディスカスは水温20-24℃の水域に生息していますが、水温27℃以上の高水温でディスカスを飼育することで活発に活動するようになりエサを食べる量も増えるため、成長速度が速くなり綺麗に発色するというメリットがあります。
ディスカスはPH6-8と幅広い水質に適応することができますが、PH6.5(弱酸性)が最もディスカスの体色が綺麗に発色する理想のPHです。日本の水道水のPHは7.5-8.0(弱アルカリ性)の傾向にあるのでPHを低く保つことが重要になってきます。
エサは何をあげる?
ディスカスの主食には「人工飼料」を与え、副食には「ディスカスハンバーグ」や「冷凍アカムシ」を与えるといいですが、ディスカスは「人工飼料」や「乾燥餌」に餌付けすることが難しく、個体によっては一切受け付けてくれない場合もあります。
人工飼料を食べてくれない場合はディスカスハンバーグや冷凍アカムシを与えるしかありませんが、同じエサを与え続けると栄養バランスが偏ってしまいますのでバランスよく与えましょう。
また、ディスカスは成長するにつれて餌付けが難しくなりますので、ディスカスハンバーグやアカムシに頼らずに人工飼料で飼育したい場合は、稚魚のうちから餌付けすることが大切です。
エサを与える頻度は?
ディスカスにエサを与える頻度は1日1-2回、1-2分で食べきれる量を与えましょう。
ディスカスには一回で多くのエサを与えるよりも複数回に分けて少量ずつエサを与えるようにしましょう。沢山の栄養が必要な稚魚や幼魚の場合は1日2-3回エサを与えましょう。
混泳はできる?
ディスカスが稚魚の場合は「ネオンテトラ」などの小型熱帯魚とも混泳させることが可能ですが、ディスカスが成魚の場合は小型熱帯魚は捕食されてしまうので混泳はできません。
ディスカスはペアで飼育するとテリトリー(縄張り)を持ち気性が荒くなる傾向にあるので、ディスカスをペアで飼育する場合は他の熱帯魚と混泳させることは避けましょう。
オススメの混泳魚は?
ディスカスと混泳させる場合は体高が低く体が小さい小型魚は避け、体高が高く捕食される心配のない「コリドラス」や「エンゼルフィッシュ」が混泳魚としてオススメです。
ディスカス同士の混泳は喧嘩が発生しやすい傾向にあり、ディスカスを同じ水槽で飼育していると特定の個体が虐められる可能性が高いです。虐められている個体はストレスから成長がエサを食べなくなったり健康状態に異常がでることもあります。
こういった強弱による虐めを防ぐためには、ディスカスを少数で飼育しないことが大切です(オスとメスのペアで飼育することは問題ありません)。
もしディスカス同士を混泳させる場合は4-5匹以上での飼育がオススメです。飼育する個体数を多くすることによってディスカスのテリトリー意識が薄れ、もし喧嘩が発生した際には攻撃のターゲットがバラけるという利点が生まれます。
混泳が失敗した時のために
熱帯魚の混泳は100%成功するといった事はありません。温厚で攻撃性の無い個体同士を混泳させた場合でも、その中で強弱が生まれてしまい喧嘩やいじめが発生してしまう可能性があります。
そのため、混泳が上手くいかなかった時に隔離用の水槽やセパレートを用意しておきましょう。
ディスカス水槽の立ち上げ方は?
1. 水槽・フィルター・ヒーターを設置する。
飼育に必要な飼育用品(水槽・フィルター・ヒーター)を設置しましょう。
レイアウト(底砂・水草・流木)がある場合はこのタイミングで導入してください。
2. 水槽にカルキを抜いた水を入れる。
水槽にカルキ抜きを使用した水を入れましょう。
市販のバクテリア材を使用する場合はこのタイミングで使用してください。
3. 飼育水を循環させて水質を安定させる。
フィルターの電源を付け、生体を入れずに水を2-3日循環させましょう。
既に生体を購入してしまっている場合は次のステップ(生体導入)へ進みましょう。
4. ディスカスを水槽へ導入する。
水質が安定したらディスカスを水槽に導入しましょう。
水槽へ導入する時は必ず水合わせを行うようにしてください。
etc. 水質が安定するには約1ヵ月かかる。
生体を水槽に導入する前に数日水を循環させることによって水質が安定しますが、たった数日では水槽内に発生する有害物質を分解するバクテリアが繁殖していません。
水槽を立ち上げてからバクテリアが十分に繁殖するには約1ヵ月かかります。
バクテリアが繁殖し水質が安定するまでは水質が変化・悪化しやすくなっていますので、飼育する個体数を増やしすぎたりエサの食べ残しがでないように注意してください。
ディスカス飼育【まとめ】
全長 | 12-20cm |
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寿命 | 10-15年 |
水温/PH | 27-30℃/6.5-7.5 |
遊泳層 | 中層 |
飼育難易度 | ★★★★★ |
繁殖難易度 | ★★★★★ |
混泳難易度 | ★★★★★ |
最低水槽サイズ | 60cm規格水槽 |
推奨水槽サイズ | 60cmワイド水槽 |
ディスカスは水質に敏感で飼育難易度が高い熱帯魚というイメージが強いですが、実際に飼育してみると水質が合わないから死んでしまったということもなく、比較的簡単に飼育することができるので熱帯魚飼育初心者の方でも飼育にチャレンジしてみてくださいね。