アイスポットシクリッド(キクラ)の飼い方と注意点|特徴・寿命・種類・混泳・値段【まとめ】

アイスポットシクリッドはブラックバスと似た見た目をしていますが、ブラックバスには無い色鮮やかな体色とクジャクのような美しい模様を持っています。

ブラックバスは特定外来生物であるため、正当な理由で国から特別な許可が下りなければ飼育することができませんが、アイスポットシクリッドは許可がなくとも自由に飼育することが可能です。

この記事では、アイスポットシクリッド(キクラ)の飼育に関する情報を詳しく解説していきます。

アイスポットシクリッドってどんな魚?

アイスポットシクリッドの大きさ
80cm

特徴

アイスポットシクリッドは尻尾にあるクジャクの羽根のようなスポット模様が特徴的です。

アイスポットシクリッドはアメリカン・シクリッドの一種であり、縄張り意識が強い攻撃的な個体が多い傾向にあるため、他種の魚と一緒の水槽で飼育することは少し難しいです。

名称

アイスポットシクリッドとは、シクリッド科キクラ属に分類される魚の総称(グループ)であるため、実際には“アイスポットシクリッド”という名前を持った魚は存在しません。

正式名称は「キクラ」といい、別名「ピーコックバス」や「ツナクレ」ともいいます。

また、アイスポットシクリッドは”アイスポッシクリッド”という名称で販売されていることもありますが、英名は”Eye spot cichlid”であるため、正しくは”アイスポッシクリッド”です。

アイスポットシクリッドの寿命

アイスポットシクリッドの寿命
10-15年

アイスポットシクリッドの寿命は最低でも10年、適した環境で飼育することで15年以上生きることが可能であり、中には20年近く生きた個体も確認されています。

アイスポットシクリッドの寿命は主に生きている環境(水質やストレス)によって変化するため、アイスポットシクリッドに適した環境で飼育することが長生きさせるための秘訣になります。

アイスポットシクリッドの値段は?

アイスポットシクリッドの値段
1000-10000円

アイスポットシクリッドの値段は種類や原産地によって大きな差があります。

比較的流通量の多い「キクラ・オセラリス」は1000円前後で購入することができますが、流通量が少ない「キクラ・ピクティ」の値段は最低でも5000円~と数倍程高くなる傾向にあります。

原産地

アイスポットシクリッドは同じ種類であっても原産地によって値段が変動します。基本的にはブリード個体(人工繁殖)の値段は安く、人気のあるワイルド個体(自然採取)は値段が高くなります。

アイスポットシクリッドの種類は?

キクラ・オセラリス

キクラ・オセラリスの特徴
  • 黄色みを帯びた体色
  • 黒色の縦帯模様(3本)
  • 橙色の各ヒレ(胸・腹・尾)

キクラ・オセラリスはアイスポットシクリッドの中で最も流通量が多く飼育者も多い品種であり、一般的に”アイスポットシクリッド”はキクラ・オセラリス単体を指して使われることが多いです。

キクラ・オセラリスは個体による差が激しく、上記の画像のように幼魚期から黄色みを帯びている体色の個体から白色の体色をした個体まで様々ですが、成長するに従って黄色みが強くなります。

また、キクラ・オセラリスは原産地によって模様や体色が全く異なります(地域変種といいます)。

キクラ・オリノセンシス

キクラ・オリノセンシスの特徴
  • 黄色みを帯びた体色
  • 黒色の縦帯模様(3本)
  • 橙色の各ヒレ(胸・腹・尾)
  • 白黄色のスポット模様

キクラ・オリノセンシスはキクラ・オセラリアの地域変種であり、黒い帯模様と尻尾にある黒いスポットの周りを縁取るように小さな白黄色のスポット模様が入っています。

また、キクラ・オリノセンシスもキクラ・オセラリアと同様に原産地による個体差が大きいです。

キクラ・テメンシス

キクラ・テメンシスの特徴
  • 赤みを帯びた体色
  • 黒色の縦帯模様(3本)
  • 橙色の各ヒレ(胸・腹・尾)
  • 白いスポット模様

キクラ・テメンシスは、赤みを帯びた体色に白色のスポット模様が規則的に体に入っています。

キクラ・テメンシスの大きな特徴である規則的に入る白色のスポット模様は殆どのキクラ・テメンシスが持っていますが、中にはスポット模様が薄くなっていたり消えている個体も存在します。

キクラ・インターメディア

キクラ・インターメディアの特徴
  • 緑みを帯びた体色
  • 黒色の縦帯模様(5-7本)
  • 橙色の各ヒレ(胸・腹・尾)
  • 白色のスポット模様

キクラ・インターメディアは、体に入った縦帯模様の数が5-7本と他種よりも多くなっています。

キクラ・インターメディアは、他種のキクラと比べて大人しく温和な個体が多い個体が多い傾向にあるため、混泳を前提とする場合はキクラの中で最も適している品種になります。

キクラ・ピクティ

キクラ・ピクティの特徴
  • 青みを帯びた体色
  • 黒色の縦帯模様(3-5本)
  • 青みを帯びた各ヒレ(胸・腹・尾)
  • 白色のスポット模様

キクラ・ピクティは成長するに伴い体色に青みを帯びてくるようになり、各ヒレの先端に近づくにつれて青みがより強く出るようになっています。

キクラ・ピクティの発色具合は原産地や水質によって変化するため、色鮮やかなで美しい色に育てたい場合は原産地に拘り原産地の水質に合わせた環境を用意する必要があります。

アイスポットシクリッドの飼い方と注意点

スネークヘッドの飼育に必要な道具(飼育用品)
  • 水槽
  • フィルター(濾過器)
  • ライト
  • ヒーター
  • カルキ抜き

飼育に必要な水槽の大きさ

アイスポットシクリッドの飼育には最低でも120x45x45cm以上の水槽が必要になります。

アイスポットシクリッドは全長80cmとかなり大型に成長しますが、飼育下では40-50cm程で成長が止まるか極端に遅くなるため比較的小さな水槽でも飼育することが可能です。

しかし、奥行きが45cmでは少し窮屈です(Uターンしずらい)し、混泳を考えている場合は余裕を持った環境が必要となるため、出来る限り120x60x45cm以上の水槽を用意してあげましょう。

【規格・ワイド・キューブ】水槽のサイズ(大きさ)一覧|水量・値段の相場は?
アクアリウムに使用する水槽には、規格水槽・ワイド水槽・キューブ水槽・特注水槽の四種類に分類することができ、各水槽によって形や値段が...

フィルター(濾過器)

アイスポットシクリッドの飼育に使用するフィルターは「外部式フィルター」がオススメです。

アイスポットシクリッドは大食漢で飼育水を汚しやすいため、濾過性能の低いフィルターだとすぐに濾過不足になってしまいます。特に混泳を考えている場合は外部式フィルターが必須になります。

水槽の設置場所や資金的に余裕があるのならば「オーバーフロー式」が飼育に最も適しています。

【濾過器】水槽のフィルター全種類|メリットとデメリットは?
フィルター(濾過器)は水槽内の水を透明に保つためには必要不可欠な飼育用品であり、フィルターの種類によって濾過性能にも大きな違いがあ...

水温・水質管理

アイスポットシクリッドに適した水質
  • 水温 24-27℃
  • PH 6.5-7.5

水質はアイスポットシクリッドに適した水温24-27℃、PH6.5-7.5(弱酸性-中性)に保ちましょう。

アイスポットシクリッドは丈夫な魚であり幅広い水質に順応することができますが、水質が極端にアルカリ性に傾ける効果がある貝殻やサンゴ礁の底砂等は使用しないようにしてください。

また、極端に低いPH(古い水)で飼育を続けているとアイスポットシクリッドの体表やヒレが白く変色してしまうことがあるため、週に1回は水槽の約4分の1程の水替えを行うといいでしょう。

【PH調節/管理】水槽のPH(ペーハー)を上げる(下げる)方法は?
淡水魚・汽水魚・海水魚にとって水質(PH)は人間でいう空気と同じであり、魚の飼育を飼育するということは「PHを管理すること」と言っ...

エサは何をあげる?

アイスポットシクリッドの主食は「人工飼料」を与え、副食には「生き餌」を与えましょう。

大半の肉食魚は生き餌を与えると選り好みせずに全て平らげますが、アイスポットシクリッドは魚食性が強いため、極稀にコオロギやミルワーム等の生き餌を食べない個体も存在します。

生き餌を選り好みするアイスポットシクリッドを人工飼料に餌付けすることは難しく、人工飼料を食べることなく育った成魚に人工飼料を餌付けすることは無理に近い位難しいのです。

そのため、アイスポットシクリッドが稚魚のうちから人工飼料に餌付けするようにしてください。

エサを与える頻度と量

ピラニアにエサを与える頻度は1日1-2回、約2-3分で食べきれる量を与えましょう。

ピラニアは食欲旺盛で満腹になるまでエサを食べ続けますが、エサを与えすぎてしまうと消化不良を起こしてしまうことがあるため、エサは与えすぎないように注意してください。

混泳はできる?

アイスポットシクリッドは縄張り意識が強い攻撃的な個体が多いため基本的には単独飼育がオススメですが、三つの条件が整えば混泳させることができます。

三つの条件とは「体の大きさ」「相性の良さ」「3匹以上で混泳」になります。

アイスポットシクリッドのような縄張り意識が強い魚は、縄張りを保つために混泳魚に対して攻撃を仕掛け縄張りを守っていますが、攻撃の対象が多い場合は縄張りを守ることができません。

故に3匹以上(もっと多い方が良い)で飼育することによって縄張り意識を薄めることができます。

オススメの混泳魚

アイスポットシクリッドの混泳相手としては「ポリプテルス」や「淡水エイ」がオススメです。

ポリプテルスや淡水エイは混泳相手に攻撃することは殆どありませんし、アイスポットシクリッドと遊泳層が異なっていることから特に相性の良いです。

混泳が失敗した時のために

肉食魚の混泳に100%成功はありません。温厚で攻撃性の無い肉食魚同士を混泳させた場合でも、その中で強弱が生まれてしまい、喧嘩やいじめが発生してしまう可能性があります。

そのため、混泳が上手くいかなかった時に隔離用の水槽やセパレートを用意しておきましょう。

アイスポットシクリッド飼育【まとめ】

全長80cm
寿命10-15年
水温/PH24-27℃/6.5-7.5
遊泳層中層
飼育難易度★★★★★
繁殖難易度★★★★
混泳難易度★★★★

アイスポットシクリッドは幅広い水質に順応する事ができるため、初心者の方でも簡単に飼育することができますが、縄張り意識が強いので混泳にチャレンジする際は十分に注意しましょう。

また、アイスポットシクリッドの中には80cmを超えるような超大型個体も存在しますが、飼育下では50-60cm程で成長がストップしますので安心して飼育にチャレンジしてみてくださいね。

この記事が役に立ったら
いいね & シェアしよう!
最新情報をお届けします。
魚類

関連ページ

PETREAR(ペットリア)