水槽の掃除役として多くの人に知られているプレコは沢山の種類がおり、水草水槽に導入されることの多い「オトシンクルス」もプレコの一種です。
この記事では、プレコに関する情報をご紹介します。
プレコってどんな魚?
プレコの大きさ |
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3-50cm |
特徴
プレコは、鎧のように硬い鱗と吸盤のような口が特徴的なナマズの仲間であり、猫と同じように周囲の環境(明暗)によって瞳の形状を変化させることができます。
プレコは吸盤のような口を使い流木や石にしがみつくことができるため、水流の激しい水域でも流されることなく同じ場所に滞在し続けることができます、
草食性
プレコは草食性の強い魚でありコケを主食にしているため、水槽内に発生したコケを除去する「水槽の掃除屋」としても人気があります。
また、コケ以外にも「きゅうり」「ほうれん草」といった野菜も食べることができます。
繁殖率が高い
一般的な熱帯魚は産卵した卵を食べてしまうことが多い傾向にありますが、プレコは産卵した卵を食べてしまうこともありません。
また、プレコは卵が孵化してある程度の大きさに稚魚が成長するまでは子育てをする習性があるため、卵の孵化率、稚魚の生存率共に極めて高いです。
プレコの寿命は?
プレコの寿命 |
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3-15年 |
プレコの寿命は約3-15年です。
プレコの寿命は小型種で約3-5年、大型種で約10-15年と大型種の方が長生きする傾向にあります。
特に大型に成長する「ロイヤルプレコ」や「セルフィンプレコ」の中には、適した環境で飼育することによって最長20年以上生きる場合もあります。
プレコの値段は?
プレコの値段 |
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300-10,000円 |
プレコの値段は約300-10,000円で購入することができます。
基本的には小型種が安く大型種になるほど値段が上がる傾向にありますが、小型種の中にも「イぺリアゼブラプレコ」などの輸入量が少ない種類のプレコは高額になります。
プレコの種類は?
プレコには、全長4cm以下の小型の種類から最大で全長50cm以上に成長する大型の種類まで沢山の種類のプレコがおり、確認されているだけでも50品種以上存在します。
オトシンクルス
オトシンクルスの大きさ | オトシンクルスの寿命 |
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4cm | 3-4年 |
オトシンクルスの特徴
- 背中に入る黒色の斑点模様
- 体の側面に入った線模様
オトシンクルスは、背中にある斑点模様と体の側面に入る一本の黒い線模様が特徴的です。
オトシンクルスは水草を食べることがないため、水草水槽のコケ取りとしても有名ですが、エサとなるコケが少ないとすぐに弱ってしまう病弱な一面も持っています。
そのため、コケ取りとして飼育している場合でも適度に人工飼料を与える必要があります。
オトシンネグロ
オトシンネグロの大きさ | オトシンネグロの寿命 |
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4cm | 3-4年 |
オトシンネグロの特徴
- 茶褐色の体色
- 小さな斑点模様
オトシンネグロは、茶褐色の体色と体に入った小さな斑点模様が特徴的です。
オトシンネグロは「オトシンクルス」の近縁種であり、オトシンクルスよりも丈夫で環境の変化に強く、繁殖能力も非常に強いため、オトシンクルスと同様に人気があります。
リアルゼブラオトシン
リアルゼブラオトシンの大きさ | リアルゼブラオトシンの寿命 |
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5cm | 3-4年 |
リアルゼブラオトシンの特徴
- ゼブラ柄の模様
リアルゼブラオトシンは、名前の通り美しいゼブラ柄の模様が特徴的です。
このゼブラ柄には複数のバリエーション(種類)があります。この美しさと希少性の高さから他のオトシンと比べると値段が何倍、何十倍と高くなっています。
インペリアルゼブラプレコ
インペリアルゼブラプレコの大きさ | インペリアルゼブラプレコの寿命 |
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12cm | 10年 |
インペリアルゼブラプレコの特徴
- 白色と黒色のゼブラ柄のツートンカラー
インペリアルゼブラプレコは、白色と黒色のゼブラ柄のツートンカラーが特徴的です。
インペリアルゼブラプレコは輸入が制限されているため、他のプレコと比べると値段がとても高くなる傾向にありますが、最近ではブリード個体が多く流通しています。
クィーンインペリアルタイガープレコ
クィーンインペリアルタイガープレコ | クィーンインペリアルタイガープレコ |
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12cm | 10年 |
クィーンインペリアルタイガープレコの特徴
- 白色・黒色・黄色のバンド&タイガー模様
クィーンインペリアルタイガープレコは、現産地によって見た目に大きな違いがあります。
個体によっては黒いバンドが斑模様になっていたり、完璧なスポット模様になっている個体まで、クィーンインペリアルタイガープレコは模様と色彩の個体差が非常に大きいです。
ミニブッシープレコ
ミニブッシープレコの大きさ | ミニブッシープレコの寿命 |
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15cm | 5年 |
ミニブッシープレコの特徴
- 口元のヒゲのような突起物
ミニブッシープレコは、成長すると口元に出てくるヒゲのような突起物が特徴的です。
ミニブッシープレコはブリード個体が多く流通しており、大型に成長することもないことから小型水槽のコケ取り役として飼育する人が多い傾向にあります。
ロイヤルプレコ
ロイヤルプレコの大きさ | ロイヤルプレコの寿命 |
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40cm | 10-15年 |
ロイヤルプレコの特徴
- 灰色・黄色・黒色のストライブ模様
- 赤い眼球
ロイヤルプレコは、灰色・黄色・黒色のストライプ模様と赤い眼球が特徴的です。
ロイヤルプレコは、高い体高・長い各ヒレ・岩のような鱗と、すべての特徴がプレコの中で最も美しいとされており「プレコの王様」とも呼ばれています。
セルフィンプレコ
セルフィンプレコの大きさ | セルフィンプレコの寿命 |
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50cm | 10-15年 |
セルフィンプレコの特徴
- 黒色の斑点模様
セルフィンプレコは、茶色の体に入った黒色の斑点模様が特徴的です。
セルフィンプレコに入る模様は稚魚、幼魚の間はとても目立っていますが、セルフィンプレコが成長して体が大きくなるにつれて徐々に目立たなくなっていきます。
また、セルフィンプレコの最大全長は50cm以上と超大型に成長する大型プレコの一種です。
プレコの飼い方と注意点は?
プレコの飼育に必要な道具(飼育用品)
- 水槽
- フィルター(濾過器)
- ライト
- ヒーター
- カルキ抜き
- 餌(エサ)
飼育に必要な水槽の大きさ
プレコの飼育に使用する水槽の大きさはプレコの種類によって大きく異なります。
目安としては最低でもプレコの大きさの3倍以上の横幅と、2倍以上の奥行きと高さのある水槽が必要です(最大全長が10cmのプレコならば最低30x20x20cm水槽が必要)。
また、プレコは一般的な熱帯魚と違って水槽内のコケを食べる(舐めるとも言う)ので、水槽に傷がついてしまいやすいです。以上の理由から水槽の材質は傷が付きやすいアクリル製は避け、傷が付きにくいガラス製の水槽がオススメです。
フィルター(濾過器)
プレコはコケをエサにしており、他にエサを与える必要がないので飼育水が汚れずらいと考えている方もいるかもしれませんが、プレコには水槽内に付着したコケ以外にもエサを与える必要がありますし、プレコは大食漢なので飼育水を汚してしまいやすいです。
そのため、フィルターは最低でも「上部式フィルター」を使用し、用意できるのならば「外部式フィルター」や「オーバーフロー式」を使用するようにしましょう。
また、小型プレコを少数だけ飼育する場合は「投げ込み式フィルター」や「スポンジフィルター」などの濾過能力の低いフィルターのみでも問題はありません。
流木や底砂は使っていい?
流木はレイアウトのためだけではなく、プレコの中には流木自体をエサとして食べるような個体も存在しますし、他の熱帯魚と混泳させる際にはプレコの隠れ家にもなります。
そのため、流木は必須とまでは行きませんが用意できるのであれば設置してあげましょう。
底砂を使用するかは水槽のサイズによって異なります。60cm水槽以下では底砂を使用しても特に問題はありませんが、90cm水槽以上で底砂を使用すると水槽を掃除する際に物凄く手間が掛かりますので、大型水槽で底砂を使用する際は注意が必要です。
大型プレコの場合は底砂や流木を一切使用しない「ベアタンク」での飼育もオススメです。
水温・水質管理
プレコに適した水質
- 水温 23-26℃
- PH 6.0-7.0
水質はプレコに適した水温23-26℃を保ちましょう。
プレコの適切な水温は23-26℃と一般的な熱帯魚と比べると低めの水温になりますので、他の魚と混泳させる場合はプレコだけではなく混泳魚にも適した水温を意識しましょう。
プレコは水温30℃を超えるような高水温には弱く、高水温になると水中の酸素濃度が急激に低下するので酸欠にも陥りやすいので夏場には特に注意してください。
エサは何をあげる?
「水槽の掃除屋」として有名なプレコですが、池のようにコケが大量発生している水槽を一年中維持することが可能ならば他にエサを与える必要がありませんが、そのような環境を用意できない場合は足りないエサを補う必要があります。
そのため、プレコに「きゅうり」や「ほうれん草」といった野菜や「ひかりクレスト プレコ」などの人工飼料(タブレット)を与えましょう。
しかし、餌付けされてないプレコの中には人工飼料をエサと認識しない個体も存在しますので、そういった場合は徐々に人工飼料に慣れさせていく必要があります。
混泳はできる?
プレコは小型魚と相性がとても良く問題を起こすことはあまりありませんが、中型魚や大型魚と混泳させる場合には注意が必要です。
プレコは体積が大きく動きが遅い魚(アロワナやディスカス等)の体を舐めて傷つけてしまうことがあります。プレコに体を舐められた混泳魚はストレスも感じてしまいますので、プレコに舐められた形跡があった場合はすぐに隔離して対応してあげましょう。
プレコ飼育【まとめ】
全長 | 4-50cm |
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寿命 | 3-15年/最長20年 |
水温/PH | 23-26℃/6.0-7.0 |
遊泳層 | 下層/壁面 |
飼育難易度 | ★★★★★ |
繁殖難易度 | ★★★★★ |
混泳難易度 | ★★★★★ |
推奨水槽サイズ | 30-90cm水槽 |
プレコは他の熱帯魚に比べてエラが非常に小さいので酸欠になりやすいですが、生存能力が高く水質の変化にも強いので初心者の方でも簡単に飼育することができます。
また、プレコは水流の強い場所を好み自然下でも水流の強い地域に生息していますので、「サーキュレーター」や「エアレーション」を使って水流を作ってあげてもいいでしょう。