ブラックアロワナはアジアアロワナよりも安価で販売されており、ブラックアロワナの大きさに対して比較的小さな水槽で飼育できることから人気があります。
この記事では、ブラックアロワナに関する情報をご紹介します。
ブラックアロワナってどんな魚?
ブラックアロワナの最大全長 |
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100cm |
特徴
ブラックアロワナは青色のヒレとオレンジ色のヒレの縁取りが特徴的であり、稚魚んは黄色の一本の線模様がありますが、稚魚が成長して成魚に近づくにつれて徐々に薄くなって消えていきます。
ブラックアロワナの下顎は大きく発達しており、葉っぱの上や水面に落ちてきた昆虫を捕食する際には、最大で1メートル以上も跳躍(ジャンプ)することができる力を持っています。
野生のブラックアロワナは最大で全長100cm以上に成長しますが、水槽内の狭い環境では最大でも60-70cm程で成長が止まってしまう個体が多い傾向にあります。
古代魚
ブラックアロワナは「チョウザメ」や「ポリプテルス」等と同じ古代魚の一種です。
ブラックアロワナはアロワナの中でも比較的近い年号に発見された種類であり、約5000年前から生息していたとされています(他種のアロワナの出現が確認されたのは1億年以上前)。
古代魚(こだいぎょ)とは、古生代や中生代の化石として知られ、絶滅せずに現在まで生き残ってきた魚類の総称である。いわゆる「生きている化石」に含まれる。
引用:Wikipedia
近縁種
ブラックアロワナの近縁種に「シルバーアロワナ」という種類のアロワナが存在します。
ブラックアロワナとシルバーアロワナを見分ける時は「最大全長」と「体色」の二つに注目しましょう。ブラックアロワナの最大全長は約100cm、シルバーアロワナの最大全長は約120cmと、ブラックアロワナはシルバーアロワナよりもひと回り小さな全長になっています。
ブラックアロワナの寿命は?
ブラックアロワナの寿命 |
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10-15年 |
ブラックアロワナの寿命は約10-15年です。
ブラックアロワナの寿命は飼育されている環境によって大きな差があり、ブラックアロワナの中には最長で20年以上生きた個体も確認されています。
狭い水槽で飼育されているブラックアロワナはは寿命が短くなる傾向にありますので、飼育の際は出来るだけ大きな水槽でストレスを与えずに飼育してあげることが大切になります。
ブラックアロワナの値段は?
ブラックアロワナの値段 |
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5000-7500円 |
ブラックアロワナの値段は約5000-7500円で購入することができます。
ブラックアロワナの値段は平均7500円以下と比較的安価で販売されていますが、ブラックアロワナはアロワナの中で二番目に大型に成長する種類ですので、飼育には大型水槽が必要になります。
そのため、値段の安さを理由にブラックアロワナを飼育しようと考えている方には向きません。
ブラックアロワナの飼い方と注意点は?
ブラックアロワナの飼育に必要な道具(飼育用品)
- 水槽
- フィルター(濾過器)
- ライト
- ヒーター
- カルキ抜き
- 餌(エサ)
飼育に必要な水槽の大きさ
ブラックアロワナの飼育に必要な水槽は、最低でも120x60x45cm水槽が必要になります。
ブラックアロワナは水槽内でも60-70cm程の大きさに成長する超大型魚ですが、ブラックアロワナの体は他種の魚と比べて非常に柔軟な体を持っているため、比較的小さな水槽でも飼育できます。
しかし、ブラックアロワナを120cm水槽で飼育していると窮屈に感じてしまうことは否めませんので、資金的に余裕があるのならば150x60x60cm以上のひと回り大きい水槽を用意してあげましょう。
また、ブラックアロワナを稚魚から育てることで90cm水槽でも飼育することは可能ですが、狭すぎる水槽での飼育は「背曲がり」や「エラ捲れ」などの成長障害を発症する可能性が高いです。
フィルター(濾過器)
ブラックアロワナの単独飼育の場合は上部式フィルターを使用し、複数飼育や混泳を考えている場合は濾過不足を防ぐために、上部式フィルターに加えて投げ込み式フィルターやスポンジフィルター等のサブフィルターを追加で使用しましょう。
資金的に余裕がある場合はトップクラスの濾過能力を持つ「外部式フィルター」や「オーバーフロー式」を用意してあげるといいでしょう。
水温・水質管理
ブラックアロワナに適した水質
- 水温 27-30℃
- PH 6.0-7.0
水質はブラックアロワナに適している水温27-30℃、PHは6.0-7.0(弱酸性-中性)を保ちましょう。
ブラックアロワナは27℃を超える高水温で飼育することによって活性があがり免疫力も強くなっていきますが、水質の変化には弱く水質が合っていないと体調を崩してしまうことが多いです。
ブラックアロワナ新鮮な新しい水よりも古くなった水を好みますので、水替えの頻度を増やしすぎてしまうとブラックアロワナに負担をかけてしまうので水の替え過ぎには注意しましょう。
餌(エサ)は何をあげる?
ブラックアロワナには主食に浮遊性の人工飼料(カーニバル)を与え、副食には「金魚」「コオロギ」「ミルワーム」などの生き餌を与えるようにしましょう。
コオロギなどの昆虫はブラックアロワナが好んで捕食する傾向にありますが、生き餌のみを長期的に与え続けていると栄養バランスが偏ってしまいます。また、生き餌は人工飼料に比べて消化器系に負担をかけますので、生き餌を与えすぎていると消化不良を起こしてしまうこともあります。
混泳はできる?
ブラックアロワナは大人しい個体が多いため、比較的簡単に混泳させることが可能です。
しかし、120x60x45cm以下の水槽では混泳させるとブラックアロワナが泳ぐことができるスペースが大幅に減ってしまいますので、混泳させる場合は120x60x60cm以上の水槽を用意してください。
また、120cm以下の水槽で混泳を考えている場合は出来る限り遊泳層が違う混泳魚を選びましょう。遊泳層が違うことと干渉することが無いので狭い水槽でもトラブルが起こりずらくなります。
「ポリテプルス」や「淡水エイ」といった大人しい品種が混泳魚として最も安全でオススメです。
混泳魚・相性表
【混泳魚】 | 混泳難易度 |
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オスカー | ★★★ |
スネークヘッド | ★★★ |
ダトニオ | ★★★ |
淡水エイ | ★★★ |
プレコ | ★★★ |
ポリプテルス | ★★★ |
混泳が失敗した時のために
熱帯魚の混泳は100%成功するといった事はありません。温厚で攻撃性の無い個体同士を混泳させた場合でも、その中で強弱が生まれてしまい喧嘩やいじめが発生してしまう可能性があります。
そのため、混泳が上手くいかなかった時に隔離用の水槽やセパレートを用意しておきましょう。
成長障害
ブラックアロワナの中には「目タレ」「背曲がり」「エラ捲れ」「顎ズレ」などの成長障害を発症する個体が一定数存在します。
ブラックアロワナはアロワナの中でもこれらの成長障害が起きにくい種類とされていますが、飼育する環境によっては成長障害が発症してしまう場合もありますので注意してください。
これらの成長障害はブラックアロワナに適した環境で飼育することによって症状の発症を遅らせることができ、発症を未然に防ぐことが可能になります。
目タレ
目タレは、ブラックアロワナの眼球が下方向に向いたまま戻らない症状のことをいいます。
シブラックが目タレを起こす原因としては主に「ストレス」や「視線」が原因であり、以下のような環境で飼育されている個体は目タレを発症しやすいとされています。
- 水槽が狭い
- 低層に混泳魚がいる
- 栄養バランスが偏っている
- 底面からライトの光が反射している
背曲がり
背曲がりは「ストレス」が原因で発症する背中が曲がってしまう症状のことをいいます。
背曲がりは基本的には窮屈な水槽で盆栽飼育されていたブラックアロワナが発症しますが、極稀に先天性な原因で背曲がりを発症している場合もあります。
エラ捲れ
エサ捲れは「ストレス」や「水質悪化」によってエラが捲れてしまう症状のことをいいます。
エラ捲れは背曲がり同様に小さな水槽で飼育されていたり、水質が悪い環境で長期間飼育されているブラックアロワナに多く見られる症状です。
顎ズレ
顎ズレは、顎が噛み合っておらずにズレてしまっている症状のことをいいます。
顎ズレは基本的にはストレスのかかる環境で飼育されていたブラックアロワナが発症しますが、極稀に先天性な原因で顎ズレを発症している場合もあります。
成長障害を未然に防ぐ
ブラックアロワナが「目タレ」「背曲がり」「エラ捲れ」「顎ズレ」などの成長障害を発症する原因としては先天性の場合もありますが、主に「ストレス」や「環境」が原因で発症します。
- 小さい水槽で飼育している
- 混泳魚に攻撃されている
- 栄養バランスが偏っている
- 水質が悪い
上記のような環境で飼育されているブラックアロワナは、成魚に成長する段階でいずれかの成長障害を起こしてしまう可能性が非常に高いです。成長障害を未然に防ぐ(遅らせる)ためにはブラックアロワナに適した環境でストレスを与えずに飼育してあげることが重要です。
また、目タレを防ぐためには浮遊性の人工飼料や昆虫などの水面に浮くエサを与え、ブラックアロワナの視線を上方向に向けさせることが大切とされており、水槽の面がブラックで塗装された視線を遮る水槽も目タレ防止する際に有効です。
ブラックアロワナ飼育【まとめ】
全長 | 100cm |
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寿命 | 10-15年/最長25年 |
水温/PH | 27-30℃/6.0-7.0 |
遊泳層 | 中層-上層 |
飼育難易度 | ★★★★★ |
繁殖難易度 | ★★★★★ |
混泳難易度 | ★★★★★ |
推奨水槽サイズ | 150x60x60cm水槽 |
ブラックアロワナは安価で販売されているため、大型に成長すること知らずに購入してしまい飼育に使用する大型水槽を用意することができずに自然に放流してしまう人達が一定数存在します。
熱帯地域に生息するブラックアロワナが日本で越冬することはできないため、大きな問題を起こすことはありませんが、生態系壊してしまうことに変わりありませんので、ブラックアロワナの飼育を考えている方は「飼育できる環境を用意できるのか」よく考えてから購入してくださいね。