【古代魚】アロワナの飼い方|種類・値段・寿命・混泳・飼育に必要な飼育用品は?

アロワナはお金持ちが飼育しているイメージが強い魚ですが「シルバーアロワナ」や「ブラックアロワナ」など比較的安価で購入することができるアロワナも存在します。

この記事では、アロワナに関する情報をご紹介します。

アロワナってどんな魚?

アロワナの大きさ
50-120cm

特徴

アロワナは、上方向を向いた大きな口と翼のような大きな胸ビレが特徴的です。

アロワナの特徴的な上方向を向いた口は、葉っぱの上や水面にいる昆虫を捕食するために進化したものであり、エサとなる昆虫を捕食する際には最大で1m以上水面から飛び出すこともできます。

また、アロワナは別名「龍魚」ともいい、中国では縁起が良い魚であるとされています。

絶滅危惧種

アロワナの中でも人気のあるアジアアロワナは2006年にEN(絶滅危惧種)に指定されてしまい、国際的な取引が大幅に制限されています。

そのため、日本ではアジアアロワナが高額で販売されていますが、アジアの中には特別に許可されているアジアアロワナの養殖場があり、いくつかの国々輸出することが特別に許可されています。

また、ペットショップでアジアアロワナを購入すると登録票がついてきます(血統書のような物)。

古代魚

アロワナは「チョウザメ」や「ポリプテルス」等と同じ古代魚の一種です。

アロワナの出現が初めて確認されたのは約1億年以上前であるとされています。

古代魚(こだいぎょ)とは、古生代や中生代の化石として知られ、絶滅せずに現在まで生き残ってきた魚類の総称である。いわゆる「生きている化石」に含まれる。

引用:Wikipedia

アロワナの寿命は?

アロワナの寿命
10-15年

アロワナの寿命は約10-15年です。

アロワナに適した環境で飼育することによって中には20年以上生きる個体も存在します。

アロワナの値段は?

アロワナの値段
2000-1,000,000円

アロワナの値段は約2000-1,000,000円で購入することができます。

流通量が多い「シルバーアロワナ」「ブラックアロワナ」「ノーザンバラムンディ」は平均5000円以下で購入することができますが「アジアアロワナ」は流通量が少ないため、値段は最低15000円からと非常に高額となります。

アロワナの値段はピンキリであり、アジアアロワナ1匹が30万ドルで取引されたこともあります。

アロワナの種類は?

ノーザンバラムンディ

ノーザンバラムンディの大きさノーザンバラムンディの寿命
60cm10-15年

ノーザンバラムンディは、キラキラと光る金属のような鱗が特徴的です。ノーザンバラムンディの鱗は個体によって若干の違いがあり、赤い褐色の鱗と黒い褐色の鱗の二つが存在します。

ノーザンバラムンディはアロワナの中でも特に気性が荒く攻撃的なので混泳には注意が必要です。

シルバーアロワナ

シルバーアロワナの大きさシルバーアロワナの寿命
100cm10-15年

シルバーアロワナは、その名の通り赤みがかった銀色に光る鱗が特徴的であり、自然下では最大全長120cm以上に成長する超大型のアロワナです。

シルバーアロワナは約2000円以下の安価で販売されていることからアクアリウム初心者が何も知らずに購入してしまい、飼い切れなくなって手放してしまうケースがとても多い魚でもあります。

シルバーアロワナの飼い方|値段・寿命・混泳・飼育に必要な飼育用品は?
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ブラックアロワナ

 ブラックアロワナの大きさ ブラックアロワナの寿命
100cm10-15年

ブラックアロワナは赤みがかった鱗と青黒い色の背ビレ、尻ヒレ、尾ヒレが特徴的です。

ブラックアロワナは最大全長100cm以上とシルバーアロワナに次ぐ大きさに成長しますが、シルバーアロワナと比べて飼育下では大型になりにくい傾向にあります。

ブラックアロワナの飼い方|値段・寿命・混泳・飼育に必要な飼育用品は?
ブラックアロワナはアジアアロワナよりも安価で販売されており、ブラックアロワナの大きさに対して比較的小さな水槽で飼育できることから人...

グリーンアロワナ(青龍)

グリーンアロワナの大きさグリーンアロワナの寿命
60cm10-15年

グリーンアロワナ(青龍)は透き通るような光に反射する銀色の鱗が特徴的です。

グリーンアロワナはアジアアロワナの中で最も安価で販売されている種類であり、他種のアジアアロワナと比べて飼育しやすいため、アジアアロワナ入門種としてオススメです。

レッドアロワナ(紅龍)

レッドアロワナの大きさレッドアロワナの寿命
60cm10-15年

レッドアロワナ(紅龍)は鱗を縁取るような鮮やかな赤色の鱗が特徴的です。

レッドアロワナの鱗の発色には個体差があり、鱗の中心部まで赤色に染まったような個体も存在します。特に発色の良い個体は「スーパーレッド」と呼ばれ、価格も一気に高額になります。

スマトラ・ゴールデン(紅尾金龍)

スマトラ・ゴールデンの大きさスマトラ・ゴールデンの寿命
60cm10-15年

スマトラ・ゴールデン(紅尾金龍)は金色に輝く鱗と赤い胸ビレ、尻ヒレ、尾ヒレが特徴的です。

スマトラ・ゴールデンの背中の鱗は金色ではなく黒色になっています。スマトラ・ゴールデンの中には背中まで金色に発色する場合もありますが、下記で紹介する「マレーシア・ゴールデン(過背金龍)」のように全身が金色に発色することはありません。

マレーシア・ゴールデン(過背金龍)

マレーシア・ゴールデンの大きさマレーシア・ゴールデンの寿命
60cm10-15年

マレーシア・ゴールデン(過背金龍)はキラキラと金色に輝く鱗が特徴的です。

マレーシア・ゴールデンは、スマトラ・ゴールデン(紅尾金龍)のように背中の黒色が強く発色することはなく全身の鱗が金色に強く発色します。

一般的には、背中を越えて金色の鱗が続くアジアアロワナをマレーシア・ゴールデン(過背金龍)、背中で金色の鱗が途切れているアジアアロワナをスマトラ・ゴールデン(紅尾金龍)といいます。

プラチナアジアアロワナ

プラチナアジアアロワナの大きさプラチナアジアアロワナの寿命
60cm10-15年

プラチナアジアアロワナはアルビノのような真っ白な鱗が特徴的です。

プラチナアジアアロワナはアジアアロワナの白片種のことをいい、グリーンアロワナ(青龍)はプラチナグリーンアロワナといい、レッドアロワナ(紅龍)はプラチナレッドアロワナともいいます。

白変種は遺伝子的に色素を持たないアルビノ種とは違い、色素自体は持っているためアルビノとは違って体色がすべて白色になることも眼球が赤く変化することもありません。

プラチナアジアアロワナが生まれる確率は約10万分の1の確率といわれており、希少性が非常に高いため値段も非常に高額になる傾向にあります。

アロワナの飼い方と注意点は?


アロワナの飼育に必要な道具(飼育用品)

  • 水槽
  • フィルター(濾過器)
  • ライト
  • ヒーター
  • カルキ抜き
  • 餌(エサ)

飼育に必要な水槽の大きさ

アロワナの飼育に必要な水槽サイズはアロワナの種類によって異なります。

【種類別】アロワナの飼育に必要な水槽サイズ
ノーザンバラムンディ120x60x45cm水槽
アジアアロワナ
ブラックアロワナ150x60x45cm水槽
シルバーアロワナ150x75x60cm水槽

ノーザンバラムンディとアジアアロワナは体がとても固いため、最低でも全長と同じ奥行きの水槽が必要になります。奥行きが足りないと水槽内でUターンすることができません。

シルバーアロワナとブラックアロワナは体がとても柔らかいため、全長に対して比較的小さな水槽で飼育することが可能です。ただ、シルバーアロワナはブラックアロワナと比べて飼育下でも大型に成長しやすいので、より広い奥行きの水槽が必要になります。

上記で紹介した水槽サイズは必要最低限のサイズです。余裕を持った環境でアロワナを飼育してあげたい場合は、以下で紹介する水槽よりも大きな水槽を用意してあげましょう。

【種類別】アロワナの飼育にオススメな水槽サイズ
ノーザンバラムンディ150x60x60cm水槽
アジアアロワナ
ブラックアロワナ150x75x60cm水槽
シルバーアロワナ180x90x60cm水槽

アロワナは窮屈でストレスが溜まる環境で長期間飼育し続けていると「背曲がり」や「エラ捲れ」といった成長障害を起こしやすいため、90cm以下の水槽では飼育することは不可能です。

90cm以下の水槽で盆栽飼育することによって飼育することができたとしても、ストレスが強くかかる環境で飼育されたアロワナは、決して美しいと感じるような見た目にはなりません。

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フィルター(濾過器)

アロワナを単独飼育する場合は「上部式フィルター」のみで十分ですが、複数飼育や混泳をさせている場合は上部式フィルターのみでは濾過不足になってしまう可能性が高いです。

そのため、アロワナを複数飼育したり他種の魚との混泳を考えている場合は、投げ込み式フィルターやスポンジフィルター等のサブフィルターを追加したり、濾過能力が高い「外部式フィルター」や「オーバーフロー式」を使用するようにしてください。

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水温・水質管理

アロワナに適した水質

  • 水温 27-30℃
  • PH 6.0-7.0

水質はアロワナに適している水温27-30℃、PHは6.0-7.0(弱酸性-中性)を保ちましょう。

アロワナは27℃を超える高水温で飼育することによって「活性」「食欲」「免疫力」が大きく上昇します。これらが上昇することによって成長速度が上がり発色が良くなったり、斑点病などの熱帯魚がかかりやすい病気を予防する効果もあります。

餌(エサ)は何をあげる?

アロワナの大好物は生き餌ですが、生き餌のみを与え続けていると栄養バランスが偏ってしまいますので、主食には人工飼料を与え、副食には「金魚」「コオロギ」等の生き餌を与えましょう。

アロワナは金魚などの魚類よりもコオロギやミルワームなどの昆虫類を好む傾向にあります。

混泳はできる?

アロワナは、攻撃的な種類と温厚な種類の二種類に分けることができます。

ノーザンバラムンディとアジアアロワナは攻撃的な個体が多い傾向にありますが、ブラックアロワナとシルバーアロワナは比較的温厚な個体が多い傾向にあります。

温厚なブラックアロワナとシルバーアロワナは比較的簡単に混泳させることができますが、攻撃的なアジアアロワナやノーザンバラムンディは単独飼育がオススメです。

ノーザンバラムンディは特に気性が荒く、テリトリー(縄張り)に入ってきた魚を執拗に攻撃するような個体が多いため、基本的には混泳をさせることはできません。

混泳魚・相性表

【混泳魚】混泳難易度
オスカー★★
スネークヘッド★★★
ダトニオ★★
淡水エイ★★
プレコ★★
ポリプテルス★★

混泳が失敗した時のために

熱帯魚の混泳は100%成功するといった事はありません。温厚で攻撃性の無い個体同士を混泳させた場合でも、その中で強弱が生まれてしまい喧嘩やいじめが発生してしまう可能性があります。

そのため、混泳が上手くいかなかった時に隔離用の水槽やセパレートを用意しておきましょう。

成長障害

アロワナは「目タレ」「背曲がり」「エラ捲れ」「顎ズレ」などの成長障害を発症しやすいです。

これらの成長障害はアロワナに適した環境で飼育することによって症状の発症を遅らせることができ、発症を未然に防ぐことが可能になります。

目タレ

目タレは、アロワナの眼球が下方向に向いたまま戻らなくなっている症状のことをいいます。

アロワナが目タレを起こす原因としては主に「ストレス」や「視線」が原因であり、以下のような環境で飼育されている個体は目タレを発症しやすいとされています。

  1. 水槽が狭い
  2. 低層に混泳魚がいる
  3. 栄養バランスが偏っている
  4. 底面からライトの光が反射している
ブラックアロワナとシルバーアロワナは目タレをする可能性が高く、飼育下のブラックアロワナとシルバーアロワナの成魚は約9割が目タレを発症してしまっています。

背曲がり

背曲がりは「ストレス」が原因で発症する背中が曲がってしまう症状のことをいいます。

背曲がりは基本的には窮屈な水槽で盆栽飼育されていたアロワナが発症しますが、極稀に先天性な原因で背曲がりを発症している場合もあります。

エラ捲れ

エサ捲れは「ストレス」や「水質悪化」によってエラが捲れてしまう症状のことをいいます。

エラ捲れは背曲がり同様に小さな水槽で飼育されていたり、水質が悪い環境で長期間飼育されているアロワナに多く見られる症状です。

顎ズレ

顎ズレは、顎が噛み合っておらずにズレてしまっている症状のことをいいます。

顎ズレは基本的にはストレスのかかる環境で飼育されていたアロワナが発症しますが、極稀に先天性な原因で顎ズレを発症している場合もあります。

成長障害を未然に防ぐ

アロワナが「目タレ」「背曲がり」「エラ捲れ」「顎ズレ」などの成長障害を発症する原因としては先天性の場合もありますが、主に「ストレス」や「環境」が原因で発症します。

  1. 小さい水槽で飼育している
  2. 混泳魚に攻撃されている
  3. 栄養バランスが偏っている
  4. 水質が悪い

上記のような環境で飼育されているアロワナは、成魚に成長する段階でいずれかの成長障害を起こしてしまう可能性が非常に高いです。成長障害を未然に防ぐ(遅らせる)ためにはアロワナに適した環境でストレスを与えずに飼育してあげることが重要です。

また、目タレを防ぐためには浮遊性の人工飼料や昆虫などの水面に浮くエサを与え、アロワナの視線を上方向に向けさせることが大切とされており、水槽の面がブラックで塗装された視線を遮る水槽も目タレ防止する際に有効です。

アロワナ飼育【まとめ】

全長60-100cm
寿命10-15年
水温/PH27-30℃/6.0-7.0
遊泳層中層-上層
飼育難易度★★★★
繁殖難易度★★★★★
混泳難易度★★★★★
推奨水槽サイズ150-180cm水槽

アロワナはジャンプ力が非常に強く簡単に水槽から飛び出してしまいますので、絶対に水槽の蓋を閉め忘れないように注意するようにしてください。

アロワナを飼育すること自体は簡単ですが他の熱帯魚と比べて成長障害が出やすいので、美しい姿のアロワナに育てるためにもアロワナに適した環境で飼育してあげることが大切です。

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